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世界で二番目に愛してる(1)

「どうしたら、彼女にこの愛をうまく伝えられると思う?」 「……ごふっ、く……っ、」 湯気の立っているコーヒーにゆっくりと唇を近づけた時、向かい側に座る友人のその言葉に息が漏れ、そのせいで跳ね返ったコーヒーが俺の顔に飛び散った。……最悪すぎる。 慌てて差し出されたヨレヨレのハンカチを拒否し、自分のポケットからハンカチを取り出す。まぁ、俺のもヨレヨレなんだけど。 「……で? どうしても相談に乗って欲しいと言ってたことは、これか?」 「うん。俺、どうしたらいいか分からなくて……」 こんな恥ずかしいことを相談できるのはお前しかいないと、友人は照れたように頭を掻いた。 こんな恥ずかしいこと? そうじゃない。こんなくだらないこと、の間違いだろ。 俺は顔を拭くと、改めてカップを手に持ち、さっきよりも慎重に口へと近づけた。それから一口、ゆっくりとコーヒーを口に含む。 珍しく早く仕事が終わり、真っ直ぐ帰ろうと思っていたのに。こういう時に限って、仕事じゃない何かにその帰宅を邪魔されてしまう。 「“ねぇ、私のこと好き?”って最近よく聞いてくるんだよ。“どのくらい好き?”って、暇さえあればそればっかり。なぁ、俺のこの愛……、伝わってないのかな?」 「はぁ……」 聞けば半年前にできた彼女らしい。仕事で会えない日も連絡をきちんと入れているし、休日も二人きりでゆっくりと過ごしているとのこと。それで十分なんじゃあないのか? 俺には彼女というものはいないし、女の考えていることなんかちっとも分からない。

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