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世界で二番目に愛してる(6)

……何だ、それ。 彼の言葉に呼吸が止まった。この状況でそんなことを言うのか? 世界で二番目? 俺、マイちゃん以下だってこと? さっき俺のほうを選んでくれたみたいで嬉しいと、そう都合良く考えてしまっていただけに、一気に落とされた。 開いた口がふさがらない。言葉も出ない。 ぼろぼろと涙が溢れ出てくる。こんなに泣くほど自分は彼のことを好きだったのかと、今この状況では分かりたくもなかったことを自覚する。「世界で二番目? おいおい、一番が俺じゃあないって、それはひどいだろ」って、冗談めかして笑う余裕は全くない。止められない涙が頬を濡らしていく。 それなのに彼は、泣いている俺を見て笑いだした。 「こんなに大好きなお前に好かれてる俺が一番に決まってるだろ。世界で一番愛してるのは、お前に愛されてる俺自身だよ」 「…………はぁ?」 止まらないと思っていた涙が、驚くほど一気に引いた。涙だけじゃあない、俺自身も引いてしまった。……え? 何? 頭がおかしくなったのかいくら俺が泣いていたからって、この慰め方は間違っているだろ。それとも、本気で言ったのか? 「バカじゃん……」 でも、マイちゃんじゃなくて良かったと、一瞬は俺もそんなことを考えてしまったから。同じように頭がおかしくなったのかも。 なんだか色々と予想外すぎて笑いがこぼれた。泣いたり笑ったり、今日は珍しく忙しい。 「ふふっ、」 「おい」 「……なに」 「お前は?」 「は?」 「俺のこと好き?」 「……え、」

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