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次に目が合う時には。(4)

気になる子がいても紹介はしてやらないぞと、言おうとして飲み込んだ。そんなことを言ってしまえば、お前は負けだよと自分で認めたことになりそうな気がして。今の関係を守りたいけれど、今の関係に満足しているわけではないのだ。 「あの、後ろで髪をくくってる人いるじゃん? あの人さっきすれ違った時に見たけど、可愛いよな。先輩? 俺ら一年のクラスで見たことない。あの人、お前のタイプだろ?」 この話題はもうやめにして欲しいと嫌そうな顔をしてあからさまにアピールしたのに彼には通用しなかった。興味津々な顔をして俺を見ると、意味の分からない質問を投げかけてきた。 「……はぁ? 確かに彼女は先輩だけど、どうして俺のタイプになるんだよ」 「だってあの人、目がぱっちりしてたから。お前、そういう子好きじゃん? よく皆がそういう本を広げて見てて、どの子が好みか聞かれた時、いつもぱっちりした目の子を選ぶだろ?」 「……はぁ、適当だよ。あんなもん」 ぱっちりした目、とはまた違う。……睫毛が長い子を選んでいるんだ。お前の睫毛が長いから、俺の好みも自然とそうなるんだよ、とは口が裂けても言えないけれど。 「そうなんだ。でもあんな可愛い人がマネージャーだったらドキドキしないの? なぁ、三谷。お前とあんまり恋愛の話をしたことないけどさ、ぶっちゃけあの人のこと気になってたり、とかしないの?」 「はぁ!?」 「あの人でなくても、好きな子とか、好きまでとはいかなくても、少し気になっている子とか、そういう子……いない?」

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