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寝室に逆戻りし、シワになると怒られたスーツを乱暴に脱がされ、熱くなった体を重ねられる。
そうされると、笑っていいんだかなんだか……。うん、よく分からねぇや。
けど、ひとつだけ分かる。
「ん、んん、んッ! ふ、ぁ……ッ」
「んっ。……メイ、好きです」
「ぁ、んん……ッ」
ウゼェくらいキスされて、カオリの命日にしかしねぇセックスをなんでかおっぱじめて。……ホント、よく分かんねぇ。
──ただひとつ、気持ちいいってことだけしか。
「ん──はッ。オキジョー、しつけぇぞ……ッ」
「嫌、ですか?」
「ンな捨てられた犬っころみてぇな顔すんな……っ。……イヤとかじゃなくて──」
「そうですか、良かった」
まだ話してる途中なのに、もう一度オキジョーの顔が近付いてくる。
唇を重ねられて、深く求められて……。どうやら、オキジョーはキスが好きらしい。知らなかったな。
なぜなら今まで、セックスは何度もシてきたけど。……キスをしたのは、今日が初めてだからだ。
オレのケツにブツを突っ込んだまま、オキジョーは笑ってキスを繰り返す。もしかすると今まで、オキジョーはガマンでもしてたんだろうか。
「んんッ、ん、んーッ!」
「ん、ふふっ。……いっぱいいっぱいなメイ、可愛い」
「笑うな、バカ……ッ」
つまるところ、オレはファーストキスなわけであって。つまり、キスにはこれっぽちも慣れていないのだ。正直『鼻で呼吸をする』という知識はあっても、実践するのは初めて。
なのにそんな何度もキスされて、戸惑ってんだよ分かれよ。……いや、たぶん分かってるな、コイツ。確信犯に違いない。
嬉しそうに笑うオキジョーの顔が、オレの顔から逸れる。
キスには満足したのかとホッとしたが──束の間だ。
「痛……ッ!」
「我慢してください」
「おま、なにやって──い、ッ」
突然、オキジョーが首に吸い付いてきやがった。
チクッとする痛みに顔をしかめると、オキジョーはオレの腕を押さえつける。
「い、痛ぇっつの……ッ。なにやってんだよ、マジで……ッ」
「所有印です」
「はぁ? つまり、もっと分かり易く言うと……ッ?」
「キスマークですね」
なるほど、分からん。が、付けたいから付けてるんだろう。
痛いのは嫌いだし、せめて一言、なにかしら教えてほしかったが……言ったってどうしようもない。
寝室に来てからずっと嬉しそうなオキジョーは、嬉々として何度も首筋を吸い上げてきた。
「は、ぅ……ッ」
「メイ、好きです。僕だけの、メイ。……好き、好きです。大好きです、メイ……っ」
「なんかお前、こえぇよ……」
「嫌ですか?」
落ち込んだのか、オキジョーがオレのケツに突っ込んでいるブツを引き抜こうとする。
腰を引かれて、オレは慌ててオキジョーの背中に腕を回した。
「ンなこと言ってねぇだろッ! 抜くなバカ!」
「ふふっ、分かりました。メイはツンデレさんですね。好きですよ」
「ツンデレはオレじゃねぇよ……」
すると、オキジョーはニッコリと笑う。
──瞬間。
「──ァあッ!」
引き抜かれかけていたブツが突然、奥まで突き刺さってきた。
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