母に見られなくなってとにかく色んなことを試して見た。 最初は褒められたくて慣れない掃除や炊事を頑張ってみて母を驚かせてみようと思ったのに帰ってきてピカピカになった部屋を見ても、手作りご飯の並んだテーブルを見ても母は一言も言わずにまた家を出て行ってしまった。 それなら、母が僕を見なければいけないようにしたらいいと思って、僕は初めてこの時リストカットというものをしてみた。 家にあった錆びたカッターで 正直切ったあと菌が入ったらどうしようと思わなくもなかったがそんなこと気にしていられなかった。 自分の腕に刃をぐっと押し当ててそのまま引く。 初めてリスカした時のあの感じは忘れられない。 チクッとして、じんじんして腕が熱くなって玉になって最初はプツプツと血が出てきてそれから線になる。 そして、床に垂れる 僕はその光景をただじっと見ながら母の帰りを待っていた