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Prologue

 どこで何を間違えたのか、いったい何が因果となったのか、何故こんなにも心が凪いでいるのか、もう振り返って遡ることすら億劫だ。  確かに楔は打たれ、着実に軸も回転もくるっている。カーテンの隙間から朝の光が満ちていくのを呆然と見つめながら、隣に転がる丸まった背中を右手で撫で下ろしていた。  握り締めた左の掌の中には、体温ですっかり溶けたチョコレートがベッタリとこびりついていた。

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