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第1話プロローグ

世の中には、噂の真祖を確かめもせず、目に入れた情報を垂れ流しているだけの人々が大多数だ。宝石のような真実が隠れていることに気付かず、のうのうと暮らしている。 それらは、見つけてもらうために、キラキラと主張しているにも関わらず、だ。 『恐怖!!人間社会に暮らすキツネ人間!?』 私は、先日読者が送ってくれたバブル時代の三流ゴシップ誌を食い入るように眺める。 昔、よく似たタヌキの映画を見たことがある。タヌキは健気に人間社会で生き抜いていた。 実は私がまだ子供の頃、キツネ人間を見た事があるのだ。耳と尾っぽが生えたキツネ人間が、薄暗い公園で穴掘りをしていた。確かにあれはキツネ人間だった。 当時は誰にも信じて貰えなかった。のぶ代の戯言だと、嘘つきよわばりされた。悔しくて悔しくていつか見返してやろうと決意した。 それが、現代で再燃した。いつも頭にあったキツネ人間が、私を呼び起こしたのだ。 早く見つけてくれと、私を呼んでいる。 芸能人の恋愛なんかクソだ。そんなことより、生命の秘密を、世界が隠してきた未知の生物を暴きたい。 先ずは、下調べからである。読者が見たというキツネ人間が穴掘りしていた付近を張ってみよう。 私は心に秘めた決意を密かに実行へ移すことにした。

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