20 / 66

逢瀬11

 イった後の気だるさを抱えているだろうに、躰を揺すって高橋を感じさせる青年の姿に、頃合いを計って声をかけた。 「そんな風に、感じさせてくれて嬉しいよ。熱いのをはるくんの中に、たくさん注いであげるからね」  優しく告げた途端に、喘ぐ呼吸をしながら更に腰を振る。力を入れて動くお蔭で、絡みつくように中が締まり、高橋のモノをこれでもかと刺激した。 「ああ、いい。すごくいいよ。もう我慢できないっ、くうっ!!」 「あぁあっ……はあはぁ、んっ」  青年の上半身を両手で抱きしめ、最奥に欲を放つ。あまりの気持ちよさに、一瞬意識が飛びそうになった高橋だったが、極上の躰を縛りつける枷を取りつけるために、疲れ果てて動けずにいる青年から、繋がっていたモノを抜き取り、力任せにベッドの上へと仰向けに押し倒した。 「なっ!?」  何が起こったのか、分からなかったのだろう。仰向けのまま固まる青年に颯爽と跨り、枕の下に隠していたスマホを取り出して、カメラを起動させ、唖然とした表情を浮かべている顔と一緒に、半裸を撮影してやった。 「はるくんとの、はじめての記念に写しちゃった」 「や……消してください」 「消すわけないだろ。せっかくの記念なんだし、それに――」  起き上がって、スマホを奪おうとした青年の手を笑いながら叩き落とし、フラッシュを焚いてふたたび写真を撮った。 「この写真を掲示板に晒されたくなければ、俺の言うことを聞くんだ。いいね?」 「そんな……」 「とりあえず今のは写りが悪いから削除して、スマホをロック。これでよし!」  鼻歌混じりにスマホを操作してから、サイドテーブルに置く高橋を、青年は呆然とした表情で見つめた。驚いた顔をしているのに、瞳は次の一手を考えようとしているのか、妙な輝きを宿していることに違和感を覚える。 (奥の手を潰して拘束し、自分に縛りつけてやろうか――) 「これを壊そうなんて、考えないほうがいい。江藤 正晴くん」 「どうして、名前を――」  本名を口にした途端に、青年の顔色が青ざめていった。その効果のほどに、笑い出しそうになるのを必死になって堪える。

ともだちにシェアしよう!