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【Side S】

 毛布の向こう側に隠れてしまった背中をなんとなく残念に思いつつ、すぐに深い寝息が聞こえてきて安堵する。 「どこが『気になって寝られない……』だよ、もう」  かわいすぎる恋人を前に、緩む頬の筋肉をコントロールできない。  明日の朝は、きっと奇跡的な早起きを披露してくれるんだろうな。眠い眠いと文句を言いつつ、視線はプレゼントに釘づけで。今すぐ開けたい開けたい開けたい……そんな心の声がだだ漏れのアーモンド・アイが俺を見上げてくるに違いない。気づかないフリをしてわざと焦らして……「キスしてくれなきゃダメ」なんて言ってみるのもいいかもしれない。理人さんからのキスをたっぷり堪能したところで、いざ、プレゼント・オープン!  理人さんはきっと泣くだろう。でも、それでいい。エンゲージ・リングがダミーにすり替わっていたことにまったく気づかなかった罰だ。そうやってちょっとだけ意地悪して気が済んだら、種明かしをしよう。  もう泣かないで。  内側をよく見て?  そして理人さんは知るだろう。  プレゼントの本当の意味を。  指輪に刻んだ俺の気持ちを。    L loves Masato forever  fin

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