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第2話

園生一葉は、昼休みの喧騒の中、箸を止めため息を吐いた。一葉は先月にこの男子校に転校してきたばかりだった。平凡な一葉は、転校生という物珍しさから、初日はクラスメイトに声を掛けられるも、それ以降はぱったり止んだ。クラスメイトは一葉をこう判断したのだ。 ーーー無個性の、つまらない奴。 一葉は、それで良かったと内心ホッとしていた。親は転勤族だが、それぐらいしか一葉の特徴は無いのだ。部活もこれと言ってやってこなかったし、成績も、中ぐらいだ。強いていうなら写真が好きで、父親の古い一眼レフを持っていることくらい。 そんな一葉と、好んで友達になった変わり者は、一葉と正反対の男だった。

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