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第5話
先ほど王道に散々弄られ追い詰められた場所からさらに奥。普段は排泄にしか使わないような器官に、王道の指が触れている。
そこは数分前に吐き出したものが伝い、しとどに濡れていた。そんな場所をふたたび王道の指が撫でている。
指に白濁を纏わせ、塗りこむように縁をなぞり、つぷりと押し入ってくる。
「う、……むぅ……っ」
違和感に首を振って逃れようとすると片手で顔を固定されて、また呼吸ごと奪うような口づけが与えられた。
そんなやり取りのあいだにも王道は埋めこんだものを浅く出入りさせ、渇いたそこを潤すように水気を足していく。
「……っ……んう」
それを繰り返してだんだん違和感がやわらいでくると、中のものが増やされて動きも遠慮のないものに変化する。
王道の指がなかを掻き回すたびにくちゃくちゃと音がして、自分でも固く閉じていたそこが柔らかく綻んで王道の指を受けいれるのが分かった。
けれど、中に収められる本数が三本になると圧迫感と違和感が段違いになり、動かされるたびに息が詰まる。口を塞がれたままなので余計に苦しさを覚えた。
酸素が足りなくて頭がぼうっとする。
「……、ふ……っ」
ようやく唇が離れたかと思うと、中でバラバラに動いていたものが引き抜かれた。
「……ぁく……っ」
喪失感に、王道を飲みこんでいた場所が収縮するのが分かった。
上から、下からと与えられた刺激と、酸素まで奪われて何も考えられなくなっていた。ひたすら呼吸を繰り返していると王道に肩を押されて頭からベッドに倒れこむ。
「っ!」
衝撃はマットレスに吸収された。閉じていた瞼を持ち上げるとすぐ側に王道の顔があって、軽く唇を合わせると離れていく。
またしつこくキスをされるのではないかと警戒していた俺は、あっさりと退いた王道に拍子抜けする。
「?!」
しかしホッとしたのも束の間、突然脚を割り開かれ片足を担ぎ上げられる。ぎょっと目を剥いて王道の姿を捜せば、スラックスの前を寛げてそそり立ったものを取り出しているところで、全身から血の気が引く。
「なにしてんだよ……?!」
「何って、細かく説明してほしいのか」
にやりと意地悪く顔を歪めて、質問を質問で返してくる王道に絶句する。
そんなもの、いらないに決まっている。というか俺が言いたいのはそういうことじゃない。
混乱しているあいだに、さっきまで王道の指を埋めこまれていた場所にひどく熱っぽいものを擦りつけられる。
「ーーっやめ」
制止の言葉を言い終える前に、灼熱に体の真ん中を串刺しにされた。信じられない熱量をいっきに突きこまれて呼吸困難に陥る。
はくはくと唇を動かしていると、王道が感慨深い様子でため息を吐く。
「……はぁ」
王道はそのままの体勢で静止していたが、しばらくするとゆっくりと腰を前後させはじめる。
「う、……あっ……く」
指とは比べものにならない質量で、ぎちぎちなそこは王道が腰を引くとひっぱられ、押し入ってくると中に押しこめられるようだった。
とにかく圧迫感がすごくて苦しい。生理的な涙を滲ませながら王道が動くたびに息を詰めていると、くったりと萎えていたものを掴まれ擦られる。
「……ッ……!」
辛いばかりのなかに与えられた刺激に中心はみるみる元気になって、王道の手の内で涙を溢しはじめた。
こんな状況だというのに心情を裏切るような反応をするそれを、信じられない思いで見つめる。
「……ぅ、そだ……。くっ……」
つぶやくのとほぼ同時に王道が俺の両の太股を押しあげて体を前に倒してきた。それにより繋がりが深くなり、中のものがさらに奥へと侵入を果たす。
「あぁ……ッ!」
ぐぐっと腰を押しつけられると先端が最奥にあたり、粘膜がきゅうっと中のものを締めつけた。
「はぁ……、いいな」
トントンと腰を打ちつけながら王道が熱のこもった目で見下ろしてくる。
「オレのものを、しっかり食い締めてくる」
手のひらが腹に降りてきて、ちょうど王道が収まっている辺りをやんわりと撫でられた。
その下では、もう触られていないというのに頭を持ちあげたものが突き上げに合わせて揺れ、涙を散らせている。
「どうだ旨いか」
「……ッ、……ぁっ……、う、う」
「ハハ、好きなだけ食わせてやる」
だからしっかり味わえ、と耳もとで囁かれ抽送するスピードがあがった。
それから何度も出し入れを繰り返され、中をかき混ぜられて、最後には最奥に大量の熱をぶちまけられる。
……それからあとの記憶はない。まるでテレビの電源が切れるように、目の前がブラックアウトしたからだ。
***
「進級試験の進み具合はどうでしょう。確か今回は、魅了の課題でございましたね」
「問題ない。そこに転がっている奴以外は簡単すぎて正直拍子抜けするほどだった。変装する意味もあまりなかったように思う」
「さようでございますか、流石坊っちゃまですね。それではもう魔界にお戻りで?」
「そうだな。この学園の人間はコンプリートするつもりでいたが……まあ、いい。量は十分に集められている」
「かしこまりました」
「――ああそうだ。それは連れていく」
「ほう? それでは、わたくしがお運びいたしましょうかね」
「いや、いい。オレが持つ」
「……かしこまりました」
ーーーー体が、鉛のように重い。
遠くで誰かの話し声が聴こえたけれど、それよりもまだ眠っていたくて俺はふたたび意識を夢のなかへ溶かす。
眠りに落ちる寸前、ふわりと何かによって抱き上げられたような、そんな気がした。
end.
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