「待て、……待てって……っ」 　スラックスの前を寛げボクサーのゴムを潜り抜けて忍びこんできた王道の指が、窮屈そうにしていた俺のものに触れる。 「いい子にしていろ。好くしてやるから」 「いらね……っくぅ……」 　かさついた手が熱の塊をすっぽりと握りこむと、緩やかに上下する。 　制服越しに触れられ、すでに限界まで育っていたものは下着を湿らせるほど先走りを溢していて、王道が手を動かすたびに生々しい水音を響かせた。 「は……っは、……や、めぇ」 　スラックスの下で淫らに動く王道の手首を握りしめて制止を試みるも、裏筋をぬめる指先でなぞられると途端に力が抜ける。 　そんな俺に、王道はおかしそうに口許を緩めた。 「こんな状態で止めろと言われてもな。ほら。ここを弄ってやると口をぱくぱく開いて溢れさせてくるぞ」 「……っひ」 　先端の窪みを親指の腹で円を描くように抉られる。信じられないような快感が下半身を支配して、生理的な涙で視界が滲む。 　王道に好き勝手されている現状が許せないのに、今まで経験したことのない強い快感に抵抗どころではなくなってしまう。気持ちと体が一致しないことに困惑した。 「は……、はっ」 　戸惑っているあいだも、王道の手は休まることなく忙しなく動かされる。的確すぎてもう、されるがまま震えることしかできない。 　頭がおかしくなりそうだった。 「ぅっ、……っ」 　断続的に与えられる刺激に、直接に触れられる前から高められていたそこは呆気なく吐精する。 　燻っていたものが解放され荒く息を吐きながら脱力していると、王道に腕を引かれた。 「？！」 　体を起こされ膝立ちの状態で胸に倒れこむと、腕を掴んでいる方とは逆の手が腰に回される。まるで抱き締められているような体勢に戸惑う。 　王道の手を振りほどくべきか悩んでいると、薄く笑みを浮かべた王道が唇を寄せてきて、慌てて顔を背ける。 「……ッ」 　何がしたいのかと信じられない思いで男を見つめると、王道は特に気にした様子もなく肩を竦めた。 「つれない奴だ」 「おまえ……っ何、考えてんだ」 「何、と言われるとそうだな……。とりあえず今は、ここにオレのものを突っこんだらお前がどんな風になるか興味がある」 「ッ？！」 　低く声を掠れさせた王道の指が双丘を割り開き、奥まった場所をゆっくりと撫であげる。それが固く閉じたところに潜りこむような動きを見せたところで、反射的に両腕を突っ張った。 　こいつは今、何をしようとした？　愕然としてびくともしない男を見上げると、王道はつまらなさげに目を細める。 「そろそろ抵抗してもムダだということに気づけ。お前はオレには敵わない」 　そう言うと王道はそのまま強引に唇を合わせてきた。顔を傾けて交わりを深くすると、舌を絡めとられて歯を立てられる。 「……ふぅっ、……っ……」 　舌先を擦り合わせ、ちゅっと音をたてながら吸われると下腹部が鈍く疼く。思わず奥にひっこめて逃げると、追いかけられてふたたび捕らわれた。 　何度も何度も角度を変えてくちづけを与えられて、息が弾んでいく。途中から、どこからが自分でどこからが王道なのか境目が分からなくなる。それくらい、口の中が熱く蕩けていた。 　キスにばかり気を取られていると、ふいに王道の手がシャツの裾から侵入して胸の尖りを押し潰す。 「！」 　それから指で摘まんでこりこりと擦り合わせると、ピンと指で弾いた。 「……っん、……うぅ！」 　黙っていられなくて、口を塞がれたままで文句を言うと、指はあっさりとそこから離れる。それにほっとしていると、今度はあらぬ場所に違和感を感じて眉を寄せた。