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第1話

大樹がイケてるマフラーをして学校に来た。イギリスの国旗が編み込まれている毛糸のマフラーだ。誰か学校の女子がプレゼントしたのかもしれない。ちょっと妬ける。  俺は終業式の日を思い出す。そのマフラーいいねって言ったら大樹のやろう頬を染めていた。 「ふん、これの何処がいいんだよ」  そう言って踵を返して行ってしまったが、女の子に貰ったものじゃないかといぶかしんだ。ああ、思い出すとイライラする。あ、でも、俺はBLじゃない。じゃないと思う。自信が無いがそんな気がする。ただ、大樹があまりにも可愛らしいから気になっているだけだ。  今日は12月30日、明日は大晦日だ。大晦日は大樹が家に来て一緒に年越しをしようということになっている。ついでに、初もうでも約束しようと思っている。近くの神社もいいが遠出もいい。大樹の家は俺の住んでいる駅の隣だ。埼玉県だが都内に近く、この辺りは家が密集している。  俺はコンビニのバイトをしに自転車に乗って駅の近くまで行く。コンビニには俺の他に30代の男性の店員と40代のおばさんが主婦業の片手間にパートで働きに来ている。今年のアルバイトは今日までだ。明日は家の大掃除やら、買い出しの手伝いなんかがあるので、休暇を貰っている。それに夜は大樹が来る。

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