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ダンジョン編ー見習い騎士メルト― 第9話※

 そこまででのぼせそうだったので風呂を出た。ヒューが魔法で乾かしてくれてパジャマに着替えた。なんだか、ヒューはめちゃくちゃ機嫌よさそうな顔をしている。  手を握って、寝室まで歩く。手は、意外とがっしりしていて、大きい。俺は色が白いけど、ヒューはやや黄味がかった肌の色だった。髪は長くて腰まである。その艶やかな髪が歩くたびに揺れて、綺麗だった。  ベッドに一緒にのって、対面で座った。ヒューは視線を彷徨わせて、こほんと咳払いしてから、俺の顔を覗き込む。 「メルト、俺はその、きらきらした宝石みたいな目が、好きだ。意志の強さと、性格が出ているんじゃないかと思う。その、ダンジョンでお互い罠にかかって出会ったのは運命じゃないかと思う。俺の方こそ、恋人になって欲しい。ここを出ても、メルトと一緒にいたいと思う。」  ヒューが手を握ってじっと真剣な顔で言う。俺は、だんだん顔が赤くなっていくのがわかった。きゅっと胸が締めつけられた。 「ヒュー…」  真剣な顔が近付いてきて、口に柔らかいものが触れた。キスだ、と思ったら吸い上げられた。  え、ど、どうしよう。戸惑ったまま硬直していた俺は、ヒューが離れていくと止めていた息を吐きだした。 「キスしてる時は、鼻で息をするんだよ?」  ヒューはくすっと笑ってチョンと俺の鼻を指でつついた。そんな仕草に心臓が跳ねた。 「鼻…」 「メルトはキスは初めて?」 「親からは顔とかは…」 「それは親愛のキス。恋人のキスは…俺が初めて?」  じっと期待を込めたような水色の瞳が至近距離で俺を見つめる。その瞳に俺が映っていて落ち着かない気分にさせた。恥ずかしいような、嬉しいような、そんな気持ち。 「…うん…」  こくりと、頷くと手が離されて抱きしめられた。触れる体温が心地いい。おずおずと、背中に手を回した。 「もう一回、いい?」  そう言って、またヒューの顔が近付いて、恥ずかしくなって目を閉じた。ヒューの唇がそっと触れて吸い上げられる。さっきより長く、角度を変えてまた吸われる。 (鼻、鼻で息…)  意識して鼻で息をしようと思ってると、吸われる気持ちよさに何も考えられなくなる。キスしてるそこからあったかいものが注ぎ込まれて全身に廻る。 (魔力?)  ふわっとした気分でその正体に気付く。いつの間にか俺の口の中に舌が入って来ていた。その舌が口内をくすぐるように舐めまわす。 (何これ、気持ちいい)  身体から力が抜けてヒューにすがりつくようになってしまう。股間が、熱くなって、俺は自分のモノの変化に気付いた。 (え。なんか、立ってる…さっきの、ヒューのモノみたい…)  気持ちよさにぼうっとなっていると、いつの間にかヒューが離れていた。目を開けるとヒューの顔が間近にあった。 「メルト、気持ちよくなってくれたんだな…嬉しいよ。」  蕩けるような笑顔で言われて、思わず見惚れた。なんだかドキドキして頬が熱い。  手が伸びてきて俺の股間に触れる。何か痺れのような物がこみ上げて腰が震えた。 「ここ、気持ちイイって言ってる。」  これって気持ちいいからこうなってるのか? 「ほら、俺も…」  ヒューに股間に手を導かれて、ヒューの長くて太いものに布ごしで触れた。布ごしでも大きいってわかるし、熱い。これ、欲しい。つい、撫でてしまうと、手の下で堅くなるのがわかった。 「気持ちいいの?」  思わず聞いた。俺の手で気持ちよくなってるのか?  ヒューは微笑むとゆっくりと頷いた。 「もちろん。メルトの手が気持ちいい。」  涼やかな声が耳元に響いた。背筋をぞくりと甘い痺れが走った。思わず見上げると熱を帯びた水色の瞳が俺を捉えた。 「こうすると、もっと気持ちいいよ?」  ヒューはズボンの中から俺のを取り出してそっと握る。根本から先端へ扱かれた。 (気持ちいい。何?これ?)  何度も扱かれて俺のが堅くなって先端から透明な液体が滲んできた。  子種?  ここから出るのは子種だって事は知っている。でも俺、こんなふうになるなんて、知らなかった。俺はまだ、はっきりと精通というものを意識したことがなかったから。 「…ヒュー、気持ちい、い…」  声が上擦って震えた。目尻に涙が滲んだ。それをヒューが舐めとった。  俺の手は、ヒューのモノに触れたまま止まっている。けれど、ヒューのモノがますます大きくなったのはわかった。  ヒューも興奮してるのか?なんだか、嬉しい気持ちがこみ上げて、胸が熱くなる。俺を見ているヒューの目に熱がますますこもった気がした。 「メルト、パジャマを脱ごう。」  気持ちよさに気を取られていると、いつの間にかヒューに脱がされて、ヒューも裸になっていた。  俺はベッドに横たわっていて、ヒューは俺の両足の間にいた。俺は股間のすべてをヒューに曝け出すような格好になって少し恥ずかしく思えた。  俺を上から覗き込むような格好のヒューの、上を向いていて凄く太くて長いのをぼんやりと眺めた。 「凄い、大きい…」  そうつい呟くと、ヒューは照れた顔をした。 「まあ、メイルだからね…ありがとう…」  チュッと音を立てて唇にキスされた。それがなんだか嬉しい。 「メルト、一緒に気持ちよくなろうか?」  ヒューは優しい、それでいて熱を篭らせた水色の瞳で俺を見つめた。うん、と頷くと手を股間に導かれて、ヒューのと俺のを一緒に握らせた。  俺の手を、ヒューの俺より大きい手が、包むようにして握り込む。そうして上下に、お互いの物を一緒に扱きだした。  先ほどよりも強い刺激と、俺のものがヒューの大きなものと触れあって感じる体温にくらくらする。  お互いの先端から流れ出る液体が、二つの幹を濡らしていくとますます快感が湧き起こって、扱く手と擦れ合う湿った音を立てた。  それがダイレクトに俺のモノに響いて張りつめていく感覚があった。そんな感覚は初めてで、俺はきっと、ヒューの顔を困惑したすがるような顔で見ているんだろうと思った。 「あ…何?…気持ち、よすぎて…何か、で…る…あっ…ヒューどうしよう…」  自由なもう片手をヒューに伸ばす。その手をヒューが指を絡めるように握った。その力強さに胸に熱いものが込み上げた。 「感じるままに素直に出せばいいよ。メルト…」  そう言ったヒューの声も、興奮にか、快感にか、掠れて上擦っていた。それが凄く甘く感じられて、何かが弾けた気がした。 「…あっ…あ…あっ…あああぁーーーっ…」  強く扱きあげられて、何かが絞り出されるように感じる。背が仰け反って、びくびくと身体が震えた。腹の上に熱いものが散らばって、動かされる手が、張りを失くしていくお互いのモノを感じていた。 「はあ…はあ…」  せわしなく口で呼吸しながら、身体を少し起こして、股間を見た。俺のはくったりとして、ヒューのも下を向いていた。  そして俺の腹の上に白い少しねばついた液体がたくさんのっているのが見えた。 「ヒュー…お、俺…め、めちゃくちゃ、気持ちよかった…」  俺と同じように息を乱しているヒューにそう言うと、ヒューはチュッと俺にまたキスをした。 「俺もだよ。ほら、こんなに出た。メルトと混じっちゃったけど…」  嬉しそうに言うヒューに、ああ、そうか、やっぱりこれがメイルの子種なんだとわかった。  メイルは量が多いと聞いたことがあった。ほんとだった。腹の上が洪水みたいだ。  子種の乗っているその部分から熱いものが俺の腹に染み込んでいくような気がした。 (魔力?)  じっと眺めているとヒューが俺の手を離して頬に触れてきた。 「今夜はこれで寝ようか?繋がるのはまた次回で…」  俺に口付けてヒューは微笑んだ。また胸が締め付けられる気がした。甘い痛み。  ヒューにだけ、感じる甘い痛みだ。これは何だろうか? 「うん。おやすみ…」  思ったより俺には衝撃的な体験だったみたいで、すぐ眠たくなって、次に目が覚めたらもう朝食が用意されていたのだった。

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