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ダンジョン編ー見習い騎士メルト― 第11話※

 模擬戦を終えるとヒューの美味しい料理を食べて、お風呂に入る。  お風呂も魔道具で水筒と同じ理屈で水が出るんだそうだ。だから水がないところでもお風呂に入れるから超便利だろう?とヒューは自慢していた。  水が貴重な国出身としてはお風呂にこだわる点がわからないのだが。まあ確かにこのお湯につかると体がほぐれる感じは心地いいとは思う。  とにもかくにも俺には魔道具は使えないので一緒にお風呂に入ることは決定事項だ。  だが、なにも浴槽の中で抱っこしなくてもいいと思う。ヒューの足の間に背を向けて後ろから腕を回されて抱きこまれてる。なんだか落ち着かなくて恥ずかしい。  それに尻に、ヒューのでかいアレがあたる。昨日の事を思い出して困る。 「ヒュー…あの…」  後ろを振り向いて抗議しようとしたが、にこにこと上機嫌なヒューの表情に先を言えなくなってしまう。 「もう、でるか?」  耳元で囁かれてびくっと震える。何か痺れが走った。なんだろう?困惑してるとヒューはにんまりと笑った。何故か悪寒が走った。背筋に。 「耳が弱点なのか。そうかそうか。でようか?」  ヒューは言うと俺を横抱きに抱えあげた。 「ええ??」  思わず首に縋りつくと、顔のすぐそばにヒューの端正な顔があって、ヒューは何気なく口付けた。俺はヒューに何回キスされたんだろう。 「昨日の続きをしなきゃな?」  片目をつぶって言うヒューに見惚れてしまった。おずおずと頷くと、ますます熱の篭った瞳で俺を見る。胸がじんわりと熱くなって、頬が赤くなるのを感じた。  ヒューは魔法で身体と髪を乾かして裸のままベッドのある部屋に向かった。俺を横抱きにしたままで。  なんだか物語にあるフィメルのようだ。  俺はこんなひょろいガキだったから、メイルと混じって喧嘩ばかりして。すぐに騎士団に入ったから、それからは鍛練だけに夢中になって。  小さい頃に読んだ物語のメイルにさっそうと魔物から助けられるフィメルに憧れたことはあっても、現実的にそういうことはあり得ないと、ずっと思ってた。  でも、今俺は強くて美形のメイルに抱きかかえられている。  これってほんとに現実なのか?ダンジョンの罠にかかってほんとは死にかけてて夢を見てるんじゃないか?  そんな益体もないことを考えているうちにベッドにそっと降ろされた。  ヒューが覆い被さって来て、ヒューの首に手をかけたまま俺は、思わず引き寄せた。ヒューの目が一瞬見開かれた後、ふっと笑った。その蕩けるような笑顔が近付いてきて、俺の口を塞いだ。  恥ずかしくて目を閉じるとゆっくりと吸われる。その感覚が心地よくって口を開けた。するりと舌が入って来て俺の舌と絡まる。交わる唾液を飲み込むと喉の奥があったかくなるような気がした。 (ヒューの魔力が、入ってくるんだ)  それが気持ちいい。いつの間にか俺のが勃ち上がっていて、むずむずとした感覚がもどかしい。  何度か角度を変えて深い口付けを交わした。体温が上がって、息が上がる。  夢中でヒューの舌を追う。そうしてるとヒューの手を肌に感じた。撫でていく手の這うそこが、熱くなる。  胸の突起をその手が掠めると、ぴくんと震えた。なんてことのないところなのに、他と違った感覚があった。ヒューも、俺の反応に気付いたのか、指腹で押しつぶすようにそこを転がし始めた。 (うそ、なんだか変な感じする!) 「…ッ…」  声が上がる。でもヒューの唇で塞がれてくぐもった呟きになる。そうすると、ヒューの唇がゆっくりと離れていって、今度は首筋に吸いついた。 「あ…ヒュー…」  唇はどんどん胸へと降りていって、突起に吸いつく。舌先が突起の先端を舐めて転がすと吸い上げられた。  甘い痺れがそこから沸き起こってびくりと仰け反った。反対側の突起は手で弄られて両方から快感がもたらされて、股間にますます熱が篭った。  突起は堅くなって、ちょっとでも刺激を受けると甘い痺れが走った。 「や、なんか、そこ、変…」  やめてほしくて訴えた声が掠れてて、自分の声じゃないみたいだ。 「ここ、メルトの弱いところだね?気持ちいいんじゃないかな?」  ちゅっとヒューが吸い上げて離した。 「…あ、あっ…」  ヒューの唇はもうあちこち俺の肌を吸い上げて、その度にあったかいものを感じ、魔力が注がれる気がした。  ヒューの唇を感じるとそこから快感が這い昇り、もう俺のモノは透明な液で濡れそぼっている。  ベッドのシーツを握りしめて快感に耐えていると、その俺のモノに柔らかい感触を感じた。  ハッとして股間を見ると、ヒューが俺のモノを咥えてた。咥えてた! 「ヒ、ヒュー!…そんなとこ…あっ…」  離して、という間もなく吸い上げられて、あまりの快感にちかちかと目の前が点滅した。根元にある二つの袋も手で揉まれて、そこも気持ちいい。 「やっ…気持ち、よすぎ…で、出る…よッ…あ…」  俺が訴えるとますます吸い上げられて唇で扱かれた。上下するヒューの頭を快感でぼんやりした目で見つめた。溢れる透明な液を啜りあげる音が響く。  恥ずかしいのと、気持ちいいのとで身体が熱くなった。汗が肌に浮かんで滴り落ちる。  きつく吸い上げられて、あっけなく俺は果てた。 「…あ…あああっ…」  ヒューの口に子種を吐きだしてしまった。どうしよう…子種って飲んでも大丈夫なんだろうか…?  啜りあげる音が響いて、舌先が先端の割れたところを辿って、それも気持ちよかった。 「あ…の、飲んだ?」  ヒューが顔をあげると、口の端に俺のモノから唾液が糸を引いたように細く繋がって見えた。 「もちろん。甘くておいしかった」  お、おいしい、の?  俺はきっと衝撃で固まってたに違いない。  ヒューはくすりと笑って俺をひっくり返した。 「え?…」 「メルトはセックスってどこまでわかってる?」  恋人や伴侶がする子作りってことはわかるけど…具体的には知らない。 「ん、恋人や伴侶がすること?伴侶を探す時に恋人じゃなくてもお試しでするって聞いてるけど…発情期じゃなければ卵ができないから大丈夫らしい?」  俺が首をひねりながら答えると、ヒューがやっぱりって顔をした。

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