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ダンジョン編ー見習い騎士メルト― 第12話※
「じゃあ、具体的にはどうするかってことはわかるかな?」
………。
「……子種をもらう??」
大分時間をかけて答えをひねり出した。ヒューはくすっと笑って頷いた。
「まあ、そうなんだけど、子種を卵のもとに運ばなきゃいけないんだ。それには…」
ヒューが一旦言葉を切ったかと思うと、俺の足を広げて、指を尻の穴にあてた。
「ここ、に俺のを入れて奥に子種を注ぐんだ。卵のもとはこの奥の卵の部屋にあるからね?」
ぐっと指で押されて、思わず腰を引いた。
なんでそこがあるかってやっとわかった。ヒューのあのでかいのがここ、に?
む、無理なんじゃないかな?
「メルト……怖い?」
ヒューが背中に覆いかぶさって抱きしめてくる。怖いのに、怖くない。ヒューの体温は気持ちいい。
「ヒューの大きいの、入る? 痛くない?」
頭を撫でられた。あやすように、抱きしめたまま身体をゆっくりと揺すられた。
「入るよ? 痛くないよ。気持ちいいよ?でも、ちゃんと準備しないとね?」
ヒューの声は優しくて、甘い。抱きしめられているせいでお尻にヒューの大きいのが当たってて、堅くなっていた。
「…うん…するって言ったの、俺だし…恋人ならするんだし…痛くないなら、多分大丈夫…」
「メルト…」
チュッと耳にキスされた。背筋に甘い痺れが走った。
「…あん…」
思わず声が出た。そうしたら、ヒューのアレがびくっと震えた。
「うん。焦ることないから。今日はこんなふうにするって感じてもらうだけにするからね?」
ヒューの言葉に首をひねっていると熱い堅いのがお尻にあてられた。ぬめるそれが尻の谷間を後ろから前へと擦りながら股間に入ってきた。それが気持ちよくてびっくりする。
「ヒュー?」
俺のモノをヒューの逞しいそれが持ち上げている。裏側を擦られるとまた堅くなった。そんなところが気持ちいいなんて、今知った。昨日は気持ちいいということだけで意識が持っていかれたから。
ううん。ヒューが触れているところは全部気持ちいいんだ。
「気持ち、イイ…」
うっとりと呟くと、ヒューが息を飲む。
「こうやって、腿で挟んでくれると俺も気持ちいいんだ…」
俺を抱きしめたままヒューは腰を動かし始めた。ぬるぬるとしたヒューのアレが俺の股間で前後に動く。擦られて、ものすごく気持ちがいい。俺の腰も自然と揺れた。
尻だけが浮いた状態で俺はシーツをつかんだ。尻にぶつかるヒューの腰に揺らされるのも、何故か気持ちいい。なんだか、尻の穴の奥までむずむずしてきた。
こんなの、発情期が来た時以来だ。お腹の奥が熱くなる感覚。
「…あっ…ヒュー…なんだか、お腹、が変…熱い…」
ヒューが動きを止めて後ろから顔を覗き込んできた。
「お腹?もしかして、ここかな?」
後ろの穴に指があてられてくすぐるように襞をなぞった。それがくすぐったいような、気持ちいいような感覚で、背筋が震えた。ジンと奥が熱くなる。何かが中を流れた気がした。
その指がツプリと中に入ってきた。ビックリしてその指をキュッと締め付けてしまった。
ヒューは俺の頬にキスして、項や背中にキスしていく。背筋にキスされるとびくびくと震えが走って、また、お腹の奥が熱くなった。
「…ヒュー…変だ、俺…あっちも、こっちも気持ちよくて熱い…」
掠れた泣きそうな声が出た。差し入れられた指が小刻みに出入りする。
指腹で内部を擦られた。ヒューのアレはますます堅く上を向き、俺の昂りを下から持ち上げるようにして支えて、時折揺れる。それだけで気持ちよくって、先端から液がたれた。
「メルト、もっと気持ちよくなっていいんだよ?全然変じゃない。メルトが気持ち良くなってもらえると俺は凄く嬉しい。」
リップ音を響かせながら背中にキスを落とされる。ヒューの唇が触れるところはじんわりと熱くて、魔力が注がれてるのがわかる。
ヒューの魔力が入ってくるとそれが気持ちよくて、意識が気持ちよさにぼんやりとしてしまう。もっとと言いそうで、そんな自分が怖い。
くちゅくちゅと指が音を立てて俺の中をかき混ぜる。それがひどく気持ちよくて、指よりもっと太いのでかき回して欲しくなる。
「あっ…き、気持ち、いいから…ヒュー…」
初めて感じる快感に、怖さですがりつきたくて、ヒューを見ようと振り返る。腰のところにキスしていたヒューが気付いて顔を近づけた。
「メルト、どうした?嫌なのか?」
それには首を横に振って答えた。
「気持ち良すぎて、怖い…」
ヒューが嬉しそうな顔をした。そうすると身体を起こされてベッドの上に座るヒューの上に跨るように座らされた。
そのまま抱き締められて胸が密着する。指は抜かれてしまって、少し残念な気分になった。
「少し、性急だったね。メルト…」
ヒューが凄く優しい表情で俺の顔中にキスを落とした。くすぐったくて目を閉じた。
「好きだよ、メルト…」
そう言われてしっとりと吸い上げるだけの甘いキスをくれた。唇が離れて目を開けると間近にヒューの顔があった。
優しい色をしたヒューの瞳が俺を見ている。ツキリ、と胸が痛んだ。その、胸に広がる甘い痛みの正体が、好きだという感情なのだと、俺はたった今気付いたのだった。
「うん、俺も、好き…ヒュー…」
ヒューの腕に閉じ込められるように抱きしめられて、嬉しくなる。俺もヒューの背に腕を回してすがりついた。
「メルト…」
優しくあやすように体を揺らされているうちに、俺は眠ってしまったのだった。
ヒューは、イってなかったんじゃないかと気付いたのは起きてからしばらくたってからだった。
探索は進んでるのかわからない。マップはヒューの頭の中にあって、みることはできていない。ただ、半分ほどじゃないか、というのは聞いている。
今のところ、出てくる魔物で苦戦はない。ヒューの魔法も効くし、剣で止めをさせる。というか、ヒューの魔法が優秀すぎて俺が窮地に陥ることがまずない。
魔物は強くなっているようだし、知らない魔物もいた。でも、剣がきかないはずの相手にもヒューのくれた剣はダメージを与えてた。たまに剣にヒューが魔法を込めていた。
俺の身体に身体強化の魔法をかけてくれていたし、魔物と出会う前に魔法で防御壁を必ず張ってくれていた。
魔法部隊の若手と演習したことがあるけれど、こんなに欲しいところに欲しい魔法が使われることなんてなかった。もちろん、俺が他人の魔法を受け付けられないっていう点を引いてもだ。
他人の魔法を拒否する体質なのにヒューの魔法は受け入れられる。むしろヒューの魔力は心地いい。これは、俺がヒューを好きになったから?
違う、好きになる前に魔法をかけてくれてた。その時も気持ち悪くはならなかった。何故だろう。ヒューの魔法だけが心地よく感じるのは。
「メルト、右の通路からゴーレムが来る。魔法がきかないタイプだ。核の位置は左胸だ。あと3秒、くる!」
俺は駆け出した。向こうが俺を認識する前に胸めがけて剣を突きだした。
2mほどの、岩でできたロックゴーレムだった。胸に突き刺したところから罅が入り、ぴしぴしと割れる音がした。
剣を抜いてバックステップで下がった。崩れるゴーレムが、ヒューの張った防護壁に当たって落ちていく。
粉々になったゴーレムはただの岩の塊だった。
「しばらくゴーレムが出てくるかな?」
ヒューが言うならそうなるだろう。振り返ると、優しい目で見ているヒューの目と視線が合う。目元が熱くなるのを感じた。
「そう…じゃあ、頑張る…」
赤い顔を見られる前に前を向いて歩きだした。ヒューの可愛いという呟きは俺には聞こえなかった。
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