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ダンジョン編ー見習い騎士メルト― 第13話※

 その日の探索はゴーレムづくしとなった。魔法しか効かないゴーレムは魔法でヒューが瞬殺した。  無詠唱だった。魔法の名前しか唱えてなかった。そういえば、身体強化の魔法もそうだった。  物理しか効かないゴーレムは俺が相手をしたが、数が多い時はヒューも剣を振った。流れるような剣の軌跡は見惚れてしまうほどだった。  拠点に戻るとまた剣の打ち合いをして食事をしてお風呂に入る。そして、ヒューと恋人としての行為をする。  ダンジョンなのに、ダンジョンらしくないルーティン。  本当ならテントを張って(もちろん普通のテントだ)見張りを交代しながら休憩に近い睡眠をとって奥を目指したはずだ。飛ばされた先が俺一人だったなら、もう死んでいるかもしれなかった。  ヒューと出会ったのは本当に運がよかった。  そうして、何日かが過ぎた。もう、騎士団は岩山ダンジョンを引きあげてしまったのかもしれない。  意識しだしてからは、ヒューの一挙手一投足が気になった。  さらりと流れる紺の綺麗な長い髪。  通る低めの涼やかな声。  水色の優しい瞳。  整い過ぎているフィメルと見まごうほどの美貌。  やや細身ながら鍛え上げている身体。  美味しい料理を作る、魔法の手。  剣士ではないのに素晴らしい剣技を繰り出す。その動きの一つ一つが、俺の目を釘付けにする。  ヒューに抱きしめられると、ドキドキと、嬉しさで心がいっぱいになる。  俺は、こんなふうに人を好きになれたのだと、驚いている。  俺には剣しか見えてなかった。  遊びとか、付き合いとかは二の次で。  恋人とか、結婚とか、まるで興味はなかった。  なのに、今は…。 「…んッ…」  ヒューとのキスは蕩けるように甘い。俺に触れるヒューの手は物凄く気持ちがいい。唇も合わさる肌も。ヒューの逞しいモノも。  俺が怯えてしまってからは行為に慣れつつ、ゆっくりと後孔を慣らすことにしたらしい。  ダンジョンを出る目星はまだついていないし、お互いをまず知らないというわけで、“いちゃいちゃ”しつつ話しをしよう、ということになった。いちゃいちゃって?と思ったが口にはしなかった。 「…あ…ヒュー…あっ…気持ち、よすぎ…」  俺の胸の突起に吸いついたヒューは同時に俺自身を扱き、後孔を弄っている。中に入れる指は二本に増えた。同時に刺激されると快感だけでもう何も考えられなくなる。時折中で動く指がある場所を刺激すると、目の前に火花が散った。それだけでイキそうになる。 「ここ、前立腺て言って、中で一番感じるところ、だよ?」  そんなところがあるのか。一度も聞いたことがない。俺の周りはまだ、恋人なんていないようだから、誰も知らないのだろうか。 「そう、なの?俺、知らなかった…もう、出ちゃう…」  涙目で見上げると、ヒューは喉を鳴らして俺を見た。むしゃぶりつくようにキスをされて、ビックリしながらもそれが嬉しいと感じている自分がいた。  すぐにヒューの手で追い上げられて達すると、ヒューは抱きしめてくる。行為のあとはヒューが浄化をかけてくれる。シーツも身体も汚れがなくなってさっぱりとする。  息を整えてるとヒューのが体に触れた。また、イってない。 「ヒューは、気持ちよくなってない…」  ぼそりと呟くとヒューは首を傾げた。 「メルトが感じてると、俺も気持ちよくなってるよ?」  髪を梳くようにして優しく撫でてくれる。こういう仕草も胸があったかくなって嬉しく感じる。  でもそれとこれとは別だ。俺ばっかり気持ちよくしてもらっても、だめだと思う。 「俺、気持ちよくする。」  ヒューのモノに手を伸ばした。堅くて、大きい。ぎゅっと握りこんだ。 「メルト?え?」  見よう見まねで手を動かしてみる。ヒューが俺にしてくれるように。そうすると、手の下で堅くなって、先端から滴が滲んだ。俺の手で気持ちよくなってくれてるんだ。嬉しい。 「俺ばっかりじゃいやだ。」  ヒューを見上げて訴えると、優しくヒューが笑った。 「わかった。じゃあ、俺は座ってるから、メルトが気持ちよくしてくれるかな?」  ベッドで横たわって抱き合っていた姿勢からヒューが起き上がって足を広げてくれて座る。  俺も起き上がって正面で四つん這いになって、ヒューの昂りを手で扱く。先端から出てくる滴を見ていると、ヒューみたいに舐めてみたくなった。ぺろりと滴を舐めとった。  甘かった。  これって甘い?まるで蜂蜜のような、もっと極上の甘い液体。信じられなくてむしゃぶりつく。そうするとあとからあとから湧き出て舌を濡らした。啜りあげて、先端を口に含んだ。根元は手で擦りあげて、先端の方は唇で扱いた。 「く…メルト、…俺、…イキそう…」  声が聞こえてハッとした。ええと、たしか、きつく吸ってた、かな?じゃあ、思い切り吸ってみよう。そうしたら、熱い液体が溢れた。それはもっと美味しくて、夢中で飲み込んだ。喉を通ってお腹に下りても、ほんのりとした熱さがいつまでも残った。 「…美味しかった…これって美味しいんだ…」  名残り惜しかったけど、ヒューのから口を離して思わず呟いてしまった。 「いや、本当は臭くて苦いはずだけど…俺とメルトって魔力の相性が凄くいいから、お互いのが甘く感じるんだと思う。」  魔力の相性? 「魔力って人それぞれ波長が違っててね?相性があるんだよ。支援魔法をかけると効果に差が出る時があって、人によっては拒絶反応を示して他人からの魔法を受け入れないこともあるかな?子種は魔力の塊だから特に感じるのかもしれないね?」  それって、俺の事じゃないか。 「俺、他人からの魔法、ほとんどだめだったんだけど、ヒューのは大丈夫みたいなのは、相性がいいから、だった?」  ヒューの表情が嬉しそうに笑みを浮かべた。 「そうか。メルトは魔力アレルギーだったのか…うん。俺とメルトは結婚したほうがいいくらい相性がいいよ。子供もすぐできると思う。」  俺は瞬時に真っ赤になった。それを見てヒューは、あ、という顔をした。手を伸ばされて抱きこまれる。 「もちろん、メルトとは、伴侶になりたい。ここを出たら絶対迎えに行くから。それまで、待っていてくれる?」  俺は真っ赤な顔のまま何度も頷いた。 「嬉しいよ、メルト…」  甘い口付けを何度も交わして、夢見心地のまま、ヒューの腕の中で俺は眠ったのだった。

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