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ダンジョン編―大賢者ヒュー― 第10話※

 俺は機嫌がよくなると作る料理に出るらしい。つい、力を入れてしまった。  ニューヨークで有名な朝食の女王風、エッグベネディクト。イングリッシュマフィンにハムとポーチドエッグ、オランデーズソースを乗せて。  プレートに二個乗せて、その脇にほうれん草、クレソン、リーフレタスのサラダと、その上にはカリカリに焼いたベーコン。ドレッシングはイタリアン。桃のフレッシュジュースと紅茶を添えた。もちろんお代わりはベーコンとスモークサーモンを乗せたものも用意した。  メルトはオランデーズソースがお気に召したようだ。マヨネーズとか好きかもしれない。  今日でここに飛ばされて、8日目。ダンジョン探索の進捗を確認して休養日にするべきだと思った。  マッピングした地図を転写(念写に近いかな)して用意した。休養日にしようと告げるとメルトはしばらく考えて俺を上目遣いに見た。 「剣の鍛練をしたいんだけど…」  期待を込めた目で見つめられたら反射的に頷いていた。でもまずは状況の確認だ。  探索は半分ほど終えている。ボス部屋が奥にある可能性を伝えた。そこでふとステータスカードの事を思いついた。メルトは持ってないというからあげた。持っていれば、強さの指針になるからだ。それからステータスについて説明した。そして俺は料理スキルについて自慢をした。  自分の涙ぐましいメルトへの媚。そんな俺の気持ちは知らずに俺を尊敬のまなざしで見つめてくるメルトの視線から俺は逃げた。 「あー。まあ、メルトが強くなりたいなら経験を積めばいいってことだな。鍛錬も、魔物を倒すのも、経験になるから。」  メルトは思い切り頷くと、椅子から立ち上がって俺の腕をつかんだ。何だと思って見ると期待をこめた目があった。 「…鍛練…」  あ、そうだった。木刀を出して、テントの外に出る。模擬戦形式で打ち合った。 「メルト、受け止める時は相手の剣の勢いを殺す感じで受け流した方がいい。鍔迫り合いだと離れた時隙ができる。一対一ならまだしも、乱戦の中では命取りになることもある。隙は最小限にしよう。」  メルトはまだ身体が完全に出来上がってないから感覚が変化していくだろう。魔法が使えず、受けられないのなら、素の能力をあげていくしかない。 「メルト、重い攻撃は膂力がいる。筋力をつけるのも手だ。食事のときは、脂身の少ない、鳥の胸肉やささみを中心に取るといいと思う。もちろん野菜もね?」  打ち合って、一つ一つ判断力を養ってもらうようにする。受身も大事だ。 「体幹を鍛えるのは基礎だ。立つにも、体幹がしっかりしていると、安定する。馬に乗って立ち上がってもバランスがとれる。バランスを崩してもすぐに対応できる。」  メルトをふっ飛ばしながら言った。 「そうだな。投擲を覚えるといいかもしれない。ナイフを隠し持って、必要な時投げる。たとえば戦争の時。馬から落馬して敵に斬られそうになって、その時剣を取り落としていてもナイフを投げれば生き残ることができるかもしれない。丸腰にならないように、落ちてる物でもなんでも使うようにして。」  メルトの木刀を落として、肩に打ち込む。メルトは避けて転がって逃げた。  メルトが満足して、休むのに頷くまで続けて、師匠の事を聞かれた。そのついでにカミングアウトした。  俺が長命種のハイヒューマンであること。そうしたら泣かれた。慌てて聞いたら、おとぎ話で、打ち明けられたらいなくなってしまうっていうのを読んだからだと言った。 「なんだ。そういうことか。びっくりしたよ。消えないよ。確かにハイヒューマンはこの大陸にあまり住んでないけど。俺はアルデリアの王都に屋敷と商会を持っているし、今は魔の森の近くの拠点で暮らしているんだ。メルトがラーンから離れられないなら俺がラーンに住むよ。」  メルトを抱き締めて言ったが、メルトの腕の力が強まった。 「それにまだダンジョンから出られないし。二人っきりで過ごせるね?」  安心させるように言って、キスをした。目を開けたメルトの瞳が俺を誘ってるように見えた。やばい。もう、俺息子が…。 「メルト、その、ベッドに行こう!」  切羽詰まった俺は抱きしめたままテントの寝室に飛んだ。お互いに浄化をかけた。メルトの服を脱がしていると、メルトの可愛い疑問が来た。 「…もう、寝るの?」  伝わってなかった!! 「メルトを愛したくなったから、しよう?」  あ、赤くなった。わかったかな? 「あの、ヒュー…俺、ちゃんと、こ、恋人になりたい、から…最後まで…して?」  掠れた声で恥ずかしそうに言うメルトの破壊力は多分地球を5回は粉々にできると思う。  生唾を飲み込んでメルトを抱えあげてベッドに運んだ。 「うん。でもいやだったらちゃんと言うように。」  メルトは赤い顔のまま頷いてくれた。ベッドに横たえて覆い被さって唇を貪った。もう、テクニックもなにもない。メルトが欲しくて、どうしようもなかった。  お互いのモノが間でぶつかる。それだけでお互い昂って、熱が上がった。  メルトが手を縋るように背に回す。気持ちいいと訴える姿にも、熱が増す。 「俺も、気持ちいい…」  唇から首筋、胸へとキスを散らした。白い肌に赤い鬱血が残る。小さなピンクの飾りを吸い上げると、メルトが一気に張りつめた。  メルトの先端から漏れる先走りと俺の先端から溢れるそれが混ざり合う。メルトの魔力を感じて、背筋を快感が這った。  すぐにたまらなくなって指を秘所に伸ばした。中へと潜り込ませると中は潤っていて熱くうねる。うねって俺の指に吸いつくようで、早く中に入りたかった。二本差しこんで中を広げるようにかき回す。メルトの足の力が抜け、まるで俺を誘うように開いた。ごくりと喉が鳴る。 「…ヒュー…もう、イイ、から…ヒューの大きいの、…欲しい…」  メルトが俺を見上げて強請る。涙にうるんだ瞳が俺を煽った。 「わかった。俺も、我慢できなくなってる…入れるよ?」  指を抜いて抱えあげて、さっきまで指を入れていた襞の中心にあてる。そこは俺を咥えこむようヒクリと戦慄いた。それだけでもう、我慢できなくて中へと突き込んだ。  中は熱くて潤っていて、すんなりと受け入れてくれた。いや、俺を包んで咥えこんで奥に誘い込んだ。 「あ…熱、い…おっきい…」  目尻から零れる涙は透明で綺麗だ。それを吸いとって、微笑む。もう根元まで入った。締めつけられてあまりの気持ちよさにすぐイキそうだ。 「メルト…全部入った…わかるか?」  メルトが目を開けて微笑んだ。一瞬見惚れた。 「わ、わかる…太いの、入ってる…」  頷いたメルトに口付けた。メルトもキスを返してくれた。最近はメルトも積極的に舌を絡めてくるようになった。胸にじんわりとあったかいものが広がる。 「…は…嬉しい…ヒュー…」  繋がって嬉しいと言ってくれた。息を飲んでメルトを見つめた。もう駄目だ。 「メルト、動くよ?」  余裕なんかなかった。本能のままに腰を揺さぶって、初めてのメルトを貪った。魔力の抑えが利かなくて、繋がってるところから大量に注ぎこんだ。  間で揺れるメルトの昂りも腹で擦った。腰を打ちつける音や抽挿で擦れる湿った音が響く。 「…あっ…あっ…ヒュー…ヒューっ…」  切羽詰まったすすり泣きのような嬌声が俺の耳を打つ。それがますます股間に熱をもたらして限界まで張りつめた。  ピリッと背中に痛みが走った。  でもそれは気にせずに、大きく前立腺を擦りあげるように腰を打ちつけた。メルトの身体が跳ねた。 「や…イイ…イく…イくッ…あっ…あああああっ…」  大きく仰け反って達したメルトの内部は俺をきつく締めあげて俺も達し、腰を押しつけたまま奥に魔力とともに精を放った。  魔力はそのままメルトの魔力回路へとなだれ込み、メルトの魔力を押し流した。メルトの全身を巡ったその魔力は、また繋がっているところから、俺にメルトの魔力とともに流れ込み、その魔力の交換は強烈な快感をもたらした。  俺にも初めての体験で目の前が白くスパークした。  魔力の相性がいいとはこのことか。こんな強烈な体験をしたら、もうお互い離れられない。  余韻に腰を緩く揺さぶってすべての精をメルトの中に注ぎ込んだ。メルトの手は背中を離れて、シーツの上に落ちていた。 「はあ…はあ…メルト、すご、かった…」  メルトの顔を覗き込むと、気を失っていた。俺はさっと血の気が引いた。  やっちまった!? 「メルト?」  そっと頬を撫でて声をかけるが反応はない。息はちゃんとしてるから気絶しただけのようだった。俺は息を吐くと、腰を引いて抜いた。白いものがとろりと中から零れた。  ごくりと喉を鳴らしてから俺は首を横に振った。ダメだ。気を失ってる状態でするもんじゃない。  浄化をかけてシーツも綺麗にした。でもメルトの中に浄化はかけなかった。  抱きしめて頬に手を添えて何度か呼びかけると、目を開いた。ほっと息を吐いて抱きしめた。 「なんか、凄かった…身体中気持ちよくなった…」  そう言ってくれて嬉しかった。メルトは魔力の説明に半信半疑だったけど、さっきの魔力の奔流で、魔力回路の詰まりは少し改善している。  メルトの魔力回路の改善は、エッチか、直接魔力を吹き込んで回路の詰まりを解消するしかない。放出ができないのは、放出の魔力回路が機能してないからだけど、流して動かせば機能し始める。  ダンジョンを出てからゆっくりと治療すればいい。 「少し休んだらご飯にしようか?お昼食べてなかったよな?」  抱きしめて寝転がる。お互いの体温が気持ちいい。メルトの髪をかきあげて、顔中にキスした。メルトからも抱きついてくれて、嬉しかった。戯れのような軽い甘いキスを何度も交わした。 「愛してる、メルト…」  唇を触れ合わせたまま告げる。メルトが驚いた顔をして、嬉しそうに微笑んだ。 「…俺も…愛してる…」  メルトが恥ずかしそうに囁いた声に、胸が熱くなってどうしようもなかった。

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