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第1話
「はぁ....。」
目の前の扉を前に大きなため息をこぼす。
いきなり決まった父の転勤により俺、堀川 一樹 はエスカレーター式の私立白星学園に今日から通うことになっていた。
本当は転校なんてしたくなかったけど、いざ学校に来てみれば案外綺麗な校舎で悪くないかなんて考えてはいたのは確かだ。
それでも実際に教室の前まで来て色んな考えが頭をよぎる。
パンフレットでは小・中・高と一貫の学校と書いてあった。
ならもう確実に全員仲はいいんだろうな。
誰も話しかけてくれなかったらどうしよう。
頭の中を回る考えに頭を振っていると教室の中から名前を呼ばれた。
もうああだこうだ考えている時間はない。
俺は逃げられない現実にもう一度ため息をついて教室のドアを開けた。
中に入ってみると案の定、周りと仲よさそうに小声で話しながらこっちを見るクラスメイト達。
(...俺本当に大丈夫か?)
すでに不安しかない。
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