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極道とウサギの甘いその後4-13
「いいのか?」
覗き込まれて、きちんと目を合わせて頷く。
今は、怖くはない。もっと触れて欲しいとすら思う。
万が一途中でまた怖くなってしまっても、竜次郎は受け入れてくれると信じられたことで、心に余裕ができた。
竜次郎は、湊が何を気にしているかをちゃんとわかっていてくれる……。それに甘えてはいけないと思うが、そんな竜次郎だからこそ、湊も先に進んでいく勇気が出せる。
試すように頬を撫でられ、キスをされる気配に目を閉じた。
軽く触れて離れてしまったので不思議に思い目を開けると、心配そうにこちらを窺う竜次郎と目が合い、大丈夫だと微笑んで見せる。
次はもう少し深く。唇が擦れて吐息が触れる。吐息を奪い合うような激しいキスもいいが、スキンシップの延長のような触れ合うだけのキスも気持ちがいい。
優しいキスをしながらそっと抱き寄せられて、竜次郎の足を跨ぐように誘導される。
向かい合わせで抱き合えば下腹部が擦れ合ったが、いつものようにごりっとしないので違和感を感じて唇を離しそこを見た。
「……竜次郎の、いつもより元気ない……」
思わず呟くと、苦笑が降る。
「さっき、己の所業への絶望でかなり冷えちまったからな」
「俺……触ってもいい?」
「してくれんのか?」
普段は「悪戯するな」と拒否されることが多いが、元気がなければ湊への危険も少ないからだろうか。無理するなよ、と気遣いながらも好きにさせてくれるようで、湊は嬉しくなった。
ベルトを外して前を寛げ、下着の中から取り出したものはやはりまだ柔らかい。
こういうシーンで反応していない竜次郎のものと対面するのは初めてだ。
相当ショックだったらしいと思うと、申し訳ない気持ちになる。
早く元気になってほしいと想いを込めてキスをして、丁寧に舌を這わしていると、すぐに手の中のものは育っていった。
「元気になった」
「お前が触れば一発だな」
「俺がするの、きもちいい?」
「いいに決まってんだろ」
頭を撫でてくれる手は熱く、僅かに息を乱しているのが嬉しくて、もっと感じてほしくてぱくりと咥え込んだ。
反応があるところを擦るように舌を絡め、飲み込みきれない部分は手を使い、一生懸命奉仕する。
先端から滲む蜜を舐め取り、また深く咥えて口全体を使って扱いた。
「ん…っふ、……っんんっ」
これで後ろを突かれることをうっかり想像すると、じわりと少なくない先走りが下着を濡らしたのを感じ、慌てて口を離す。
このまましていたら、竜次郎が満足する前に下着の中が大変なことになりそうだ。
唐突に行為を中断した湊を、竜次郎が心配そうに見下ろしているので、少し恥ずかしいが正直に頼んだ。
「あの、服、汚れちゃうから、……脱いでいい?」
「俺は嬉しいが……平気か?」
「うん。竜次郎も、脱いでほしい」
「わかった」
黙々と服を脱ぐと全裸になって再び向き合い、続きをしようとしたが、竜次郎は再び湊を膝の上に座らせた。
「お前の口もすげーいいが、俺も触っていいか?」
「うん。いっぱい触って……」
竜次郎は湊を抱き締め、何かを堪えるように一つ息を吐くと、すぐに愛撫が始まる。
首筋から鎖骨、胸へと優しいキスが降り、湊は心地よさに目を細めた。
もどかしくもあるが、大事にされているのが伝わってくるから、ずっとこんな風にしていたいとも思える。
「あっ」
もう少し強い刺激が欲しくて腰を揺らめかせると、勃ち上がったお互いのものが擦れて、びくっと体が跳ねた。
「っ……このまま、一緒にイくか」
「ん、……っでも、最後まで、して欲しい……」
「湊……」
正直に強請ると、至近の竜次郎が息を呑んだ。
湊を心配してくれる気持ちはとても嬉しいが、もっと直接竜次郎を感じたかった。
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