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エッチなうさぎとおとなのおもちゃ5(竜次郎・湊)
「よし。じゃあ心を無にして、天井のシミでも数えてろよ」
「竜次郎……それ、よく言うよね」
「エロいことする前の慣習みたいなもんだ。気にするな」
「そ、そうなんだ。わかった」
雑談で気をそらしつつ、竜次郎自身もできる限り無心に手を動かし、ローションで濡らしたブジーを湊の性器の先端に当てて、この辺かとアタリをつける。
「痛かったらすぐ言え」
「うん……」
力を入れると、つっと先端が沈む感触とともに、腕の中の体が震えた。
「っ……」
「っと……痛いか?」
すぐに手を止め、表情を窺う。
説明書には、『とても痛い場合、入れる方向を間違えてるから、無理に入れないこと』と書いてあった。
そもそもが狭い場所を拡張する『ちょっと痛い』行為なので、我慢させるべきところかどうかの見極めは、慎重に行わないといけない。
……どうでもいいが、自分でやってみたことでないならば、八重崎はどこからこんな情報を仕入れてくるのか。
竜次郎の心配に、湊は一瞬詰めた息を吐き出し、首を横に振った。
「ん……平気。ちょっと、熱いみたいな感じがしてびっくりしただけ」
「もうちょい入れてみるか」
「う……ん、……あっ……はい、って……」
「……ちょっとひっかかるな。一旦抜くぞ」
「あっ……」
ゆっくり抜き取り、ローションを足して再び挿入していく。
先ほどよりも、もう数センチ入れたところでひとまずやめておいた。
……これも、『初心者はあまり奥まで入れすぎないこと』と例の紙に書いてあったからである。
………………………………。
思うところが多すぎるものの、少し要領が掴めたような気がする。
尿道というのは性器の中心を通っているだろうと漠然と想像していたが、裏筋の近くをカーブを描くようにして通っているようだ。
そのため、器具が入って膨らんでいるのが、視覚でも触覚でも楽しめる。
これは結構興奮するなと思いながら、腕の中の湊を気遣う。
「どうだ?平気か?」
「うん……思ったより、痛くないけど、……」
「けど?」
「竜次郎……これ、楽しい?」
困惑の眼差しに見上げられて、苦笑が漏れる。
「痛くはねえが、そんなに気持ちよくもねえんだな?」
「う、うん……。勃っちゃったらだめっていうし……」
湊の気持ちは竜次郎にもわかった。
先っぽに少々挿れたくらいでは、ただの管である尿道に、例えば前立腺で得られるような強烈な刺激はないはずだ。
尿道の粘膜への刺激だけで射精できるようになるには、心身ともに相当な修練が必要なのではないかと推察される。
ではどこでオチをつけるのかと考えてしまったのだろう。
竜次郎の方も、特に具体的なプランはなかった。
しかしこれだけでは湊も、よかったともよくなかったともレビューしづらいだろう。
「そうだな……もう少し奥まで入れてみるか?」
湊が素直に頷いたので、挿入を再開する。
もちろん、挿れるのは本当に少しだけだ。
あまり痛みがないようなら、このままちょっと擦ってみるかなどと算段していると、ぴくんと湊の爪先が跳ねる。
「う……っ、あ、あっ」
「っ、痛かったか?」
「ん……っちが、……なんか、」
やってしまったかと慌てたが、にわかに息を乱した湊の頬は赤く染まり、手の中の物は兆し始めている。
どうやら、敏感すぎる湊の粘膜が、快楽らしきものを拾ったようだ。
悪くない反応だと思う。
「今、入ったまま勃ってて痛くはねえか?」
「う、ん、へいき、だけど、」
「じゃあこれ、抜けねえように自分で押さえてろ」
「え?あ……っ」
いけそうだと判断した竜次郎は、半ばほど入ったブジーを湊自身に押さえさせて、熱くなった身体をゆっくりと布団に転がした。
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