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後話

見覚えのあるその小瓶の中身は、 「……確か、飲むと願望が叶う」 だったハズ。…それが何故ここに? 「そうそう、それやよ♪石黒センセに頼んで作り直してもらったんよ。やっぱ真琴の願望知りたいし?」 挑発的に微笑み、小瓶をずいずいと俺に押し付けてくる秀吉。 「…こんなモノ飲まなくたって、俺の願望はひとつだ。秀吉をいつでもどこでも好きなだけ可愛がりたい」 「………へ?」 俺の崇高な願望に言葉を無くす秀吉。 みるみる顔を赤らめ困ったようにつぶやく。 「……いつでもどこでもって、そんなん無理や思いますわ…」 「だが、飲んだら叶うのだろう?…仕方ない。検証してみるとしよう」 そう言うと、俺は秀吉の手から小瓶を取り上げ、一気に煽った。 そしてそのまま困惑している秀吉に口付けると、唇をこじ開け半量ほど秀吉の口内に流し込む。 こくん。こくん。 二人分の喉の鳴る音がする。 …と、一気に体に熱が灯り、息苦しさから荒い息をつく俺達。 「…く、ぁ…、はっ、は…っ」 暫くして、ようやく呼吸が落ち着いた俺は、妙にそわそわした気分で秀吉の方を見た。 「………秀 吉?」 「……あ、……真…琴」 そこには真っ白な獣耳と獣尾を生やした秀吉がいて、欲を滲ませた二色の瞳でこっちを見ていた。 「……獣症?…それがお前の、願望なのか?」 「…え?…ち、ちがっ。…俺は、ずっと、真琴と一緒に…おりたい、って思てた…だけ」 「……っ秀吉!」 そんな可愛い事を照れながら言う秀吉を思わず抱きしめる。 「…ちょっ、真琴、…くるし…」 「…可愛い事を言う、秀吉が悪い」 「……また、それかい。…もしかして、真琴気付いてへんの?…自分にも獣耳と尻尾、生えてんで?」 「……え」 秀吉に指摘され自分の頭上に手をあてると、そこにはしっかりと獣耳の感触があった。 「………これは、…あの液体の、副作用か?」 「…そうかもしれんなあ。……それより、真琴…」 俺の腕の中、秀吉がもぞもぞと身体を動かし腰を擦り付けてくる。 そして両手でそっと俺の頬を包むと 「………シたい…んやけど」 と、潤んだ瞳で見つめ、口付けてきた。 …俺は、タガが外れた。 気づけば、秀吉をベッドに押し倒し、乱暴に服を剥いでいた。 丸裸にした秀吉の、その透けるような白い肌を目にした時、感嘆の声が漏れ、我に返った。 「…真琴、…もうちょっと、…やさしくしたって?」 目尻に涙をためた秀吉が震え、怯えるようにそう言う。 「わ、悪い。秀吉。俺どうかしてた。…ちゃんと今から優しくするからな」 俺は秀吉に覆い被さり抱きしめると、秀吉の目元にキスを落とした。 「…は、…ぁ、…あぁ…」 秀吉のナカは熱かった。 俺はすぐにでも暴走しそうな気持ちを押さえつけながら、秀吉の奥を穿つ。 「……あっ、…そこ、…や、…やぁ」 「…やじゃ、ないだろ?…ここ、突くと、…く、…しまる」 「……や、…だめ、……くぅ…」 「…秀吉。…ガマンするな。…イッていいんだぞ。…イけよ」 俺は必死で快楽に耐える秀吉に嗜虐心を煽られ、腰の抽送を激しくした。 「……あ、…そ…んな、…イ ク…、イク、イク、イッちゃあぁ…」 秀吉の身体が弓なりに反り、ガクガクと震える。 それに合わせ腰を深くまで打ち付けると、絶頂に押し上げられた秀吉が白濁を吐き出した。 「……はあ、はあ、…はぁ」 秀吉の息が落ち着くのを待つ間、俺は秀吉の髪を撫で獣耳に口付けていた。 「………真琴?……なにし…て」 「……もう、見る事もないと思ってたから」 「…………え?」 「…俺、この雪のように真っ白な獣耳と尻尾が…、秀吉に似合ってて、…好きだった」 「………」 「…悪い。獣症だった時、…思い出すよな」 「……いや、ええよ。獣症は真琴が治してくれたし。…この獣耳は一時的なもんやろ。せっかくやから、いっぱい触っとってええよ」 「………ありがとう」 俺は秀吉の許しを得て、あらためて獣耳に触れる。ぴくぴくと動くそれをハムっと咥えると、秀吉の口から可愛らしい声が零れた。 「………ぁ」 「……秀吉、感じてるのか?」 「……そない言う真琴かて、…ナカで大きいなっとるやん」 「…ああ。興奮してるからな」 「……………あほ」 「…秀吉。続き、いいか?」 「…ええよ。…俺も、もっとシたい」 「……めずらしいな。秀吉がそんな事、言うの」 「……!け、獣症のせいちゃう?」 「…そうか。なら、あの液体に感謝しないとな」 「………へ?」 「願望も叶いそうだし。…目一杯、可愛がってやるからな」 俺は秀吉の獣耳にキスを落とすと、秀吉のナカに収まったままの自身の抽送を再開させた。 そして秀吉の誕生日から日付が変わっても、俺達はお互いを求めあっていた。 存分に秀吉を可愛がる事が出来た俺は大満足だったが、翌日の昼までベッドから起き上がれなかった秀吉は、 「…アレは捨てるのが正解やった。…作り直したらアカンやつやった」 と、後悔する誕生日となってしまったのだった…。

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