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第7話 廊下の先
清々しいほどに空は清み、じりじりと眩しい太陽が大地に照り付ける。
「・・・はぁ。」
少し大きめのため息が漏れ、
机にパタンしながら校庭を眺める。
夢弥志高校、新校舎。沢山あるクラスの内の一つ。
「・・・・・」
何の特徴もないただの一般生徒。
高校デビューに成功した
ただのモブキャラ。
「・・・おい!優!」
「ん!?あぁ、明。」
隣の席の明がすぐ隣に立っていた。
明は、僕の顔を心配そうにのぞき込んでいる。
何だろう、凄いデジャブ。てか、いつも明の心配してる顔ばっか見てる気がする。
「優。やっぱり、まだ体調悪いのか?今日も起きんの早かっただろ?次、式だし大丈夫か?」
そう、あの後おにぎりを食べてから、もう一度寝ようとしたものの、何度も先輩の顔や手の感触を思い出してしまい結局眠れず、気づいたときには朝になっていたため軽く寝不足だ。
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとな。ちょっと考え事してただけだから大丈夫!」
「・・・そっか。ならいいんだ。・・・なんか悩んでんなら、いつでも言えよ。」
明は、少し心配そうな顔をしながらも僕の頭を優しく撫でてくる。
明、ごめん。でも優しいお前に先輩のことなんて相談できないし、
心配させたり迷惑かけたくないんだ。お前は僕にできた初めての親友だから。
校舎にチャイムが鳴り響く。
「わぁ!?チャイムじゃん!!!てか、クラス誰もいないし!!明!急ぐぞ!!!」
僕は、明の手を引き体育館へ向かう。
廊下を走りながら、小さく
「明。ありがとな。」
っと呟く、明とつないだ手にさっきより力を込めた。
終業式が終わったら、先輩のところ行かないとなのか。
・・・・今日もあんな・・・!!!!
何考えてんだよ自分!!昨日のことは忘れよう!!!これは、ただの秘密を守るための条件なんだ!!
僕は、身体の熱の上昇を感じながら、これは勘違いだ!!!と頭の中で唱えながら
廊下を走り続けた。
「優。ごめんな。」
っとどこか、悲しそうの声が後ろから聞こえた気がした。
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