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第6話 手の感触
「ゆう。大丈夫か?」
優しく少しひんやりした手が僕のおでこに当てられる。
「ん?あ、明。」
ゆっくり目を当てると、友の心配そうな顔が視界に移る。
あの後僕は、トイレを終えるとクラスに戻るのも怖くなり、
寮に帰りベットにダイブし意識をなくした。
上体を起こすと窓の外はもう薄暗くなっており、
明は、部屋の電気を付け、カーテンを閉めた。
どのぐらい寝てたんだろう。
「熱はないみたいでけど、体調悪いか?」
「んー。ちょっと体だるいかな。」
制服の上着をハンガーに掛けながらも心配そうにちらちらとこちらをうかがってくる。
僕は時間を確認しようと、近くの携帯に目をやるとかなりの着信履歴が並んでいた。
⦅あ、明に帰るって、連絡すんの忘れてた。⦆
「あ、明ごめん!!これ。」
明が振り向き僕は明に携帯を向ける。
「ん?あぁ、心配したんだぞ?お前、いきなり走って消えるし、連絡取れないし。
まぁ、今回は許す!だから優も気にすんな!」
明は、近づいてきて僕の頭を軽くポンポンする。
「あ!優、ごはんどうする?体調悪いなら、おばちゃんになんか作ってもらってこようか?
あと、何か欲しいものとか・・・」
≪明!飯行こうぜ!!!≫
廊下から彼を呼ぶ何人かの声が聞こえる。
「・・・明、ありがと。疲れただけだから大丈夫だよ。俺このまま寝てるから飯行っといで」
少し微笑んで返すと、明はどこか納得はいかない顔をしながらも言葉を返してくる。
「・・・・。わかった。無理はするなよ。あと、なんかあったら直ぐ呼べよ?」
僕は、軽く頷くと、優に早く行ってやれと笑顔で手払いした。
明は、後ろ髪をひかれながらも廊下で待っている友の方へ向かった。
扉を閉める際、なんかあったら呼べよ!っと念を押して言ってくる。
僕は、そんな心配そうな顔をする明に笑いながら手を振る。
バタン。
と、ドアが閉まり。
僕は、ベットに倒れこむ。
明の手冷たかったな。
でも、先輩の手の方がもっと・・・
先輩とのことを思い出し体温が一気に上がるのを感じ、枕に顔をうずめる。
なんで、ここで先輩のこと思い出すんだよ...。
仁か。
留年しまくってるって言ってたけど、何歳なんだろう。
多分2年はしてるみたいだし...え?ってことは、20歳以上⁉
やば!すごい上じゃん!!
・・・・・。
何で僕のことも、秘密も知ってたんだろう。
てか、条件が付きあうことって...
あいつと僕の秘密と約束...。
先輩との条件は全部で5個。
1 先輩の言うことは聞くこと
2 毎日屋上に来ること
3 2人で居る時は必ず先輩の隣、足の上に座ること
4 ここで会ってるとは誰にも言わないこと
5 先輩のことを誰にも言わないこと(これは僕のためらしい)
先輩どんだけ、問題起こしてるんだろう。
先生とかに名前出すだけで、僕まで留年、酷ければ退学になる可能性あるから。とか言ってたけど・・・。
顔かっこいいし、スタイルも良い、身長も先生より高い・・・。絶対モテるだろ。
確かにピアス開いてて髪色凄かったけど。お酒、タバコ...?
そのぐらいでそこまでなるかな?とりあえず、やばい人ってのには変わりないけど。
・・・・・・・。
・・・・人殺したとか?
・・・・な分けないか。考え過ぎだ。
考えを変えようと模索してると、
お腹当たりに、まだ残る違和感を感じ思い出す。
あ、これ。
・・・・先輩、たってたな。
僕で興奮して?
いや。そんな訳ない・・・よな?
てか先輩の大きかった。
あのまま入れられてたら、今頃・・・・
って!何考えてんだ!!!!
ああああぁぁぁ!!!!
お風呂入ってすっきりして早く寝よ!!!
僕は、お風呂に向かい出ると、布団に戻り眠りについた。
後の話、案の定夜中お腹がすいて目覚めると、
テーブルの上におにぎりの乗ったお皿がラップがかかって置かれており、
隣には、『お腹すいたら食べろよ!』とメモが置かれていた。
僕は、眠ってる明の方を向き「ありがとうな。いただきます。」っと呟き、おいしくいただいた。
本当に良い優しいルームメイトに会えて良かった。
この日食べた、おにぎりは今までの中で一番おいしかった。
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