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項も噛んでるぞ?

まだまだあるぞやつの奇行、蛮行は。 あぁ、次はモヒートが良い、ラムはキツめライムは別にくれないか? ん?なんだその哀れみの視線は…あいつの側近達の茨木(イバラキ)や四童子を思い出させるな。 ◇◇◇ ここに連れ込まれ、睦みあってからどれくらい経つのか? 朱点(あいつ)に無理やり奪われた時に、僕ははじめての発情期を迎えかけていたらしく、さらにあいつは権能を使って誘発していたらしい。 ほんとうに怖ろしい。 放蕩皇子なのに、大事にされ敬われるのは、こいつがα寄りでも、Ω寄りでもなく、どちらの力を保つ、とても強い存在だからだ。 しかもこいつは、鬼族の力のほぼ全てを使える、化け物らしい。 兄や姉などの兄弟を差し置いて、後継者にだって内定してる。 【青】は長とか諸々の皆が、何故か渋ってるらしかったけれど。 「はぁ…はぁ、あぁうぅ…あぁぁ…あぁ」 「お姫様、俺にも大分慣れたな。 お前の奥も、漸く俺を受け入れる様になった。俺も善いぞ。」 こいつ、朱点(シュテン)は言葉が足りないうえに、突飛もないことをする。 僕を連れ込み、手籠めにしたことも、この時にはかなり問題になっていたそうだ。 「お前はここが好きみたいだしな。」 そう言って、僕の善いところを絶妙な加減で撫でてくる。 「朱…点…ぼ、くは…もっと、強い…の、が…欲し、い。」 こいつは何故か、僕が向き合ってするのが好みだと思いこんでいて、向き合い僕を可愛がる。 もっと奥に来て欲しいので、こいつの腰に足を絡めて誘う。 「お姫様も凄く俺好みに、エロくなってきて嬉しいぞ。」 最初は緩く、大きなソレをぎりぎりまで引き抜き、次からは激しく突いてくる。 「あ、ぅぅぁあぁぁ…ぁぁ…あぁぁ…ん、あぁ」 「そろそろ俺も果てたい。」 より激しく、僕の奥まで入れて来た。 「ひっ!あ、あぁあああああああぁぁぁぁぁ!!」 この頃には朱点は、僕を責め立て、僕が気を失うまで抱くほどになっていた。 ◇◇◇ 日付の感覚がなくなって久しく。 その方は来た。 その時の僕は、あいつのちんちんをしゃぶり、舐めあげ、元より大きなソレをさらに大きく、硬くし、自分の所に導こうとしていた。 あいつの閨に張られた結界【(いき)】を破り、侵入してきたのは、彼の母であり、鬼族の最高権力者の一人、Ωの始祖である后陛下だった。 床に付くほどに長い美しい銀の髪、男にも女にも見える顔、その瞳は僕と同じ銀色だが、中には【環】が浮かんでいる。 真っ白な肌に、凹凸の少ない男とも女とも、どちらともつかない体格だ。 彼の纏う菊の薫りも馨しい。 初めて見た彼は本当に美しく、(スメラギ)様が一部の祭祀を除き、彼を監禁して愛でているというのが納得できた。 あまりの美しさとフェロモンで、外に出れば問題ばかり起こったと聞く。 だが、この時は発情期の真っ只中で、気にも止めていなかったのはずで、この印象は後日のものかもしれない。 「このアホ!なんて無体を強いているのです! 閨に篭もりどれくらい経つと思っているんですか! 早く帰せと【青】の者たちから多数の苦情が上がっています!」 彼は美しい顔を、怒りに染め息子を、叱りつける。 闖入者に少し驚いたが、発情期で惚けた頭の自分は気にせず、朱点(シュテン)のソレを自分に導き、胡座をかいていた彼の上に乗る。 「ふうぅ…あぁあぁぁ…くうぅあぁぁ…あぁぁ…」 「全く!お前は!本当に!!このアホ!!! 私が旦那様の(ところ)から出てすぐに、あなたの従者たちに泣きつかれました。 【域】まで創って籠もれば、彼らには入ってこれませんからね!」 「お姫様をゆっくり可愛がる必要があった。やつらには見せたくない。」 二人が話していることなど気にせず、自分の、良いように動く。 「大体、その子はの鬼で、Ωになるかもしれなかった子です。お前の妃候補として呼んで、教育をこれからするかどうかの協議に入るところでした。 それなのに…なんてことをしてくれるんですか!」 「なら問題ない。母上、こいつは百合。可愛いだろ?俺のお姫様だ。」 「このアホ、物事には順番があります!!」 彼らの会話など気にせず、自分は朱点を貪る。 「はぁ…ああぁぁ…うぅ…、あぁ…ぁぁ…あぁぁ…ぅう」 腰を揺らし気持ちの良い場所に当たるように動くが、 自分ではもどかしくなってきていたので彼に、催促する。 「朱、点…僕が、善い、と…ころ…を、もっと…もっと、可愛がってよ」 彼に抱きつく。 「母上、俺のお姫様を満足させないと。」 僕の要求に答えない彼に、彼の【青薔薇()】に強く口づけして噛み、痕をつけてやった。 「クッ!お前がこんなにエロく甘えるなんて、本当に可愛いなお姫様。」 彼はその美しい(かんばせ)を曇らせ話しだした。 「はぁ…今の様子をみるに発情期の最中みたいですし、その角を見れば分かるように、もう既にお前の番にしてますし、見ればお前の【】も全身に咲いてますし、色々と頭が痛いです。 今離しても良いことはありませんし、仕方ありません…」 そう言って、彼は部屋を出ていった。 「俺のお姫様、お前の好きなとこを可愛がってやるからな。」 「僕を放っておくなんて酷いやつだ…このバカ赤毛!」 「悪かった、お前の好きなところをじっくり可愛がるから。」 「うん。そうしなきゃ僕は許さないからな!」 こいつは僕の体の隅々まで拓いていき、自分好みに仕込んでいた。 はっきり言って、恐ろしいがまぁ…僕もかなり善かったから、色に溺れ、家に帰らなかったのはそのせいかもしれない。 ◇◇◇ 後から聞いたところによると、人よりも大分重めで長いらしい、僕のはじめての発情期は終わった。 期間中の食事などは、朱点(あいつ)自身を、沢山喰らえと満腹になっても、僕に吐くくらい無理矢理に飲ませていた。 いつの間にか、異常に空腹を覚えるようになったし、前よりも血が必要になっていたが、朱点を貪ればそれはなくなった。 体の汚れなども、湯殿などに僕の意識が落ちてから入れて、誰の手も借りず、甲斐甲斐しく世話を焼いたらしい。 また、それまでは適当に任せていた、部屋の掃除や食事の配膳なども、僕を見たりするものが出るのを嫌い、やつの従者たちがすることになった。 そしてこれらの習慣はそれからずっと続く。 発情期から空けて、僕は大分思考がはっきりしてきた。 自分が噂の超問題児の放蕩皇子と関係を持ってしまったこと。 (不可抗力だったと言いたいが…もっと抵抗できたかもしれないから、ほんとうにどうしよう。) 父や祖父母などの、【青】は僕の輿入れを望まず断りの為に来ていた事。 (文が何通も来ていた…父様ごめんなさい。) そして何より、いつまでも裸でいるのは辛いと言ったら、連れて行かれた仕度部屋の姿見で、僕の現状がどんなことか、そのとんでもないことに直面した。 久しぶりに衣服を着る、僕が来たときに着ていたものでなく、何故か新しく仕立てられたものを用意された。 白地に青薔薇。 あいつはなかなかに独占欲の強いオスらしい。 僕は【青】の跡取りだから、愛人にしかなれないのに。 とりあえず鏡で充てて見てみることにする。 そこに写ったのは、銀の髪に銀の瞳の幼い、まだ角も生えていない鬼の子どもの筈だった… 「ハイぃぃーーーーーーー?!」 鏡の中の自分には額から『金色(こんじき)の一本の角』が生えていた。 そして、全身には【血の伴侶】を結ばないと出来ないくらいのあいつの【青薔薇】が咲き誇っていた… (待て待て待て待て、金色の角は皇の一族の証。 僕は【青】の跡取り…青い角でないと駄目! というかこれ、どうしたら良いの?! 折ったりするのは痛そうだけれど、そうしたらまた青いのが生えてくる? それに【華】だ。これもかなりマズい! こんなのは【伴侶】くらいにしかありえない!!) これには僕も青くなり、混乱し隣の部屋まで駆けて行き、あいつに詰め寄る。 襟を掴み、恫喝する。 「オイ、これなんだよお前、なぁ?言えよ!」 不思議そうな顔をしたこいつは 「項も噛んでいるぞ? 角をやると言った。項を噛んだ。そうしたら生えた。」 こいつは平然と言い放つ。 怒りで体がぷるぷると震える。 こんな事をされてしまえば、もう…何処にも嫁げないし婿も貰えない! 「おまえ!いい加減にしろよな!!」 何の了承も取らずに、【血の伴侶】の契約(僕からは返していないし、返す気もないが)を勝手に結び。 番にもし、更には僕を孕まそうとする恐ろしい男に恐怖した。 「信じられない!なんてことすんだよこの赤毛!!僕は【(うち)】に帰る!」 「ならん!」 そう言った僕を物凄い力で抑え、再び閨に連れ込む。 「ヒィッ!やめろ!!」 床に押し倒し、またとんでもないことをほざく。 「俺のお姫様。俺の子を孕み、産め。」 その目は真剣だ。 「なに勝手に色々と決めてんだよ!僕はうちに絶対に帰る!!おい!やめろ!勝手に来んな!! うっ!あぁ…あぁ…あ……」 「全裸で迫るなど、俺のお姫様は思ったよりも情熱的だ。俺はそれに応えよう。」 また、勝手にとんでもないことを考えている。 こいつのでっかいソレは、僕の中に収まり暴れだしている。 「何言ってんだよ!この赤毛!ひとの話を聞いていなかったのか?!」 「お前に似た銀髪の子も可愛いと思う。」 こいつは本当に話が通じない!! ◇◇◇ 見事に色々なやっちゃいけないものをコンボで決めてくれたよね? 《誘拐、レイプ、監禁、番にする、そして命まで縛る。でいいのかな?》 今で言うとそうなんだけど、三番目まではあの頃の私は、まだ受け入れられたんだよね。 《えぇ?!それでもかなり受け入れ難いわよ?》 ほら、言っただろう? 凄い階級社会だって。 それからあいつは私に【華】を与えたけど、【縛】ってない。 本当に幼すぎて、弱いから好きに抱きたくて与えたそうだ。 言い忘れていたけど、【華】を与えることで肉体的な強化がされる。 与えた相手の力に耐えれるように、フィジカルに強くなるんだ。 それこそあの化け物なあいつが、番として結構好きに抱けるくらいには。 《…………シュテンはαらしいといえばらしいけれど…なんというか…》 《モンスターの倫理観はわからんな。》 あ、さらに引いたね? 本当に呆れるような物凄くセックス三昧の日々だったよ…… 《発情期ってほんとうにそんなんなの?創作だからだと思っていたわ。生活できないじゃない!》 まぁ…私もそういう状態だった。 創作物とかであるが、あれは本当に苦しいんだ。 夫がいつも慰めてくれていたから、私は自分で解消したことはない。 だから良くある、番のいないものの気持ちとかはわからない。 《べ、別にそんな話は期待していないわよ、本当よ!》 ふふ、色々と欲望に忠実に、本能的に振る舞ってしまうから、淫乱としか言い様が無い状態になるよ。

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