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始まりー①
「「え・・・・!?」」
お互いに驚きを隠せない
男はそれ以上目が開くのかと思うほどに目を見開いている
多分それは僕も同じだろう
「いや、驚いた 君だったんだ」
「いや、僕も驚きました でもなんだか、昨日とはキャラが違いますね・・・」
「君もさっきと全然ちがうね」
僕は苦笑いをし、男はあの嘘っぽいキラキラした笑顔で言う
「ここではなんだし、移動しない?このあと時間ある?」
「はい、僕は平気です」
「OK それなら、近くにあるカフェにでも行こうか」
男がそういい終わると歩き出し、その後に僕も続けて歩き出す
数分後・・・ カフェに着く
男が連れてきたカフェは珍しく自由に動かせる仕切りがあり、それを引くと個室のような空間ができる仕組みのようだ
だからか、斑に個室ような空間ができていたりするところもある
男は空いていた奥の席へ向かった
「ごめん、そっちの、仕切り動かして貰える?」
男は席に着くとすぐに言う 何かの視線から逃れるように焦りながら・・・
「はい、よいしょ・・・・ これでいいですか?」
僕は仕切りを引いた
「うん、ありがと 君は何か飲む?奢るよ?」
いつもなら断るが、あいにく今は喉が渇いており、その好意に甘えることにした
「いいんですか?」
男がこくりと頷くのを見て「えっと、じゃあカルピスで」
すると、男が一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに顔を笑顔に戻し、
「カルピスね、じゃあ、俺はコーヒーにしようかな」と先ほど来た人に注文する
その後の カルピスとか可愛い という男の言葉は僕の耳には届かなかった
「それにしても意外だね 素直に奢られてくれるなんて」
「奢られる?何を言っているのですか?」
首を傾げた
「ん?だってさっき“いいんですか?”って・・・」
始めは何を言ってるかわからず、また首を傾げる
あー!さっきの言葉か!
「それは僕も頼んでいいんですか?ってつもりで言いました
他人にお金を出してもらいなんて有り得ないですから」
この男とあまり話したくなくて少し壁を作るように言った
なぜなら、これ以上話すと僕の中の何かが崩れるような気がしたから・・・
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