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始まりー②
「ふはっ、きっぱりだね なるほどね
そういうことか ごめんね?勘違いしたよ」
「いえ、僕も紛らわしい言い方をしたので」
そこから会話が続かず、静寂の時間が流れる
「そういえば、君の名前知らないな 教えて貰える?」
先にこの静寂の時間を破ったのは司会者さんだった
また、その言葉を発した時も王子様のような笑顔をしていた
「人に聞く前にあなたが先に名乗るべきでは?」
やはり、僕の中の何かが変化することに恐怖を抱き壁を作るように言い放つ・・・
「確かに、それもそうだね 俺は月嶋 隼人(つきしま はやと)
月嶋は知らなくても“ハヤト”って名前は聞いたこと無い?」
「え?いえ、すみません 知らないです
テレビとかあまり見ないもので・・・ 芸能人さんですか?」
今日テレビ局にいたことと司会をやっていたことから推測して聞く
司会者さんは目を見開き、
「本当に??!俺達って結構人気ある方だと思っていたんだけど、
あまり外にも出かけない?」
「はい、基本家にいますので」
すると、司会者さんは少し下を向き言葉を発する
「・・・なるほどね、そういう仕事してるもんね」
その一つ一つの仕草がすごく絵になる
でも、なんだかそれらは計算したもののような感じもある・・・
なんとなく不思議な人だな
確かに分かりにくいけど、動きや表情になんとなく違和感があるように感じるな・・・
「話がちょっとそれちゃったけど、君の名前教えてくれる?知りたいな?」
安定のキラキラ笑顔で言われる
「そうでしたね 僕は藤宮 冬真(ふじみや とうま)です」
「冬真くんね」
隼人さんがそう言い終わると、見計らったようにちょうどコーヒーとカルピスが運ばれてきた
互いに注文した飲み物に口をつける
甘い・・・ やっぱりカルピスが一番だよね!
いちごミルクとかいちごオレとかも好きだけど、甘いのにすっきりするカルピスがやはり一番!!
飲み物に口をつけたあと、少し話して僕は帰路についた
隼人さんはこの後も仕事があるらしい
話しているときの隼人さん、相変わらず作っただろう笑顔だったな・・・
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