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「何をコソコソ話してるんだ?」 「大事な話だけど亮には内緒。ね! 日向」 「え? あ……うん」  明るく話す佑樹の声に促されて頷くと、疑わしげな視線を向けてきたけれど、それも一瞬だけの事ですぐに亮は笑顔になる。 「なんか気になるけどまあいいや。倒れたって佑樹に聞いたから心配したけど、日向が元気そうで良かった」  言いながら頭を撫でてきた亮に返事をしようとした時。 「おはよう。お前ら廊下でなにやってるんだ?」  よく知る声が聞こえてきたから反射的に視線を向けると、そこには浩也が立っていた。振り返った亮が安堵のため息を漏らす。 「北井か、先生かと思った。おはよう、なにって……見ての通り日向との再会を喜んでたところだ」  亮が告げると浩也は「そうか」と頷いてから、佑樹へと話しかける。 「織間、この前はすまなかった」 「気にしなくていいよ。日向が幸せなら俺はそれでいい」 「ありがとう、それは大丈夫だ」  言いながら、浩也は日向を見つめて笑みを浮かべた。 「ヒナ、おいで」  手招きをされた日向は慌てて佑樹の腕から抜け出すと、浩也の隣へと移動する。 「再会を喜ぶのはいいが、離れた途端に他の男の腕の中にいるのはよくないな」 「そ、そんなんじゃ……」  囁かれた浩也の言葉に日向が慌てて返事をすれば、佑樹がプッと吹き出した。 「北井、まさか俺に焼きもち焼いてるの?」 「悪いか?」 「悪くないけど……お前変わったな。いい意味で」 「いい意味って……」  そのまま、照れてしまったかのように黙り込んだ浩也の顔を見ながら、日向は自分の心がなにか温かいもので満たされていくのを感じる。  なにげないやりとりが、愛しくて……幸せで。  こんな毎日がずっと続いていけばいいと強く思う。  そんな気持ちを込めて浩也の手の甲へそっと指で触れると、日向の思いに応えるようにギュッと握り返された。  約束を交わしたのは五年前。  その約束によって互いが支えられていたことを確認したのは花火の日の夜。  そして再び「ずっと一緒にいる」と交わされた約束。  日向は願う。  願わくはこの約束が、これから二人で歩む未来を照らす光となり続けることを。 end 次ページあとがき

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