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「俺も限界。ヒナ、手でしてくれる?」
いつも余裕ありげな浩也が珍しく呼吸を乱していて、それにも日向は驚いたけれど、今はそれより彼の願いを叶える事が先決だ。
小さく頷き返した日向は浩也の方へと向き直り、寒さだけじゃなく震える指で、彼のズボンのホックを外し、下着を窮屈そうに持ち上げるペニスをそこから取り出すと、迷う事なく体を屈めてその先端へと口づけた。
「ヒナ」
静止するように頭を軽く掴まれたけれど、左右に小さく首を振る。張り詰めている浩也のペニスを出来る限り口を開いて受け入れて、以前彼から教え込まれた通りに口での愛撫を始めた。
「んっ……ふっ」
先走りの苦味さえも気にならない。
付き合ってからはしなくていいと言われる事が多くなり、自分ばかりが気持ち悦くなるのに申し訳なさを感じていた。
――気持ちいいんだ。
口の中、浩也のペニスがその質量を増していく。
それが本当に嬉しくて、日向は喉の奥の方へと彼のペニスを咥え込みながら、口をすぼめて竿の部分を扱くように愛撫した。
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