206 / 213

9

「俺も限界。ヒナ、手でしてくれる?」  いつも余裕ありげな浩也が珍しく呼吸を乱していて、それにも日向は驚いたけれど、今はそれより彼の願いを叶える事が先決だ。  小さく頷き返した日向は浩也の方へと向き直り、寒さだけじゃなく震える指で、彼のズボンのホックを外し、下着を窮屈そうに持ち上げるペニスをそこから取り出すと、迷う事なく体を屈めてその先端へと口づけた。 「ヒナ」  静止するように頭を軽く掴まれたけれど、左右に小さく首を振る。張り詰めている浩也のペニスを出来る限り口を開いて受け入れて、以前彼から教え込まれた通りに口での愛撫を始めた。 「んっ……ふっ」  先走りの苦味さえも気にならない。  付き合ってからはしなくていいと言われる事が多くなり、自分ばかりが気持ち悦くなるのに申し訳なさを感じていた。 ――気持ちいいんだ。  口の中、浩也のペニスがその質量を増していく。  それが本当に嬉しくて、日向は喉の奥の方へと彼のペニスを咥え込みながら、口をすぼめて竿の部分を扱くように愛撫した。

ともだちにシェアしよう!