121 / 121
エピローグ⑤
うん。
もう。降参です。
「わかりました。」
何も反論なんて見つからない。
伊織さんはニコッと笑みを浮かべ 顔を近づける。
「何度も言うが 切り替えの早さが君の長所だな。
で。どうなんだ?」
自信満々に 澄まし顔で返事を待った。
もう。
カッコいいのが腹立つなぁ。
答えなんて一つに決まってる。
だけど素直になんて言ってやりたくない。
暫く黙り込んでいると 伊織さんは不安になったのか
「柚?」と 柔らかい声音で俺を呼ぶ。
初めて名前呼ばれた気がする。
嬉しい。
じゃあそれに免じて・・。
「善処します。」
え? と目を見開く伊織さんの首に 腕を回し
引き寄せると 自ら唇を押しつけた。
fin.
ともだちにシェアしよう!