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第52話 拘束王子 2
何はともあれ、お漏らししなくて良かった・・・。
よかったけど・・・
榛、なんの為に俺に手錠かけたんだろ?
それに俺、ちゃんとエッチな事したかったって言ったのに、なんでなんもしてくんねーの?
触られたって言っても、あんなおしっこしながらじゃ・・・。
「榛さ・・・」
「なに?」
「えと・・・、もう俺とじゃダメ?」
「なにが?」
どうしよう、俺、榛が好きだって自覚しちゃったら、すげー欲張りになってる気がする。
「俺とはもう、セックスしたくない?」
壁にもたれて座った榛の前に立ち、繋がれた手錠をじっと見つめた。
顔を見ながら聞くには、勇気が足りなくて。
「あきは、したいの?」
「・・・・・・・・・う、ん」
自分からはできない。でも、したい。してほしい。
「じゃあさ、俺がやりたいようにやってもいい?」
榛がやりたいように、っていつもそうじゃん。
「・・・うん」
「泣いてもやめないよ?」
「泣かねーし!」
「そうだといいけど」
ニコッと笑って立ち上がり、榛は俺をバスルームへ連れていく。
自分の方だけ手錠を外して、服を脱ぎ始める榛。
「あきも脱いで」と言われ、俺は手錠をぶら下げたまま裸になる。
閉めたドアの内側の手すりに手錠を繋がれ、立たされたまま、ドアに手をついているよう指示された。
「もしかして、立ったままヤんの?」
「どうだろ?あーって口開けてて」
?
とりあえず言われた通りに榛に背を向けたまま、口を開ける。
「ぁがっ!」
開けた口の中に、球状の何かを入れられて、後頭部にまわったベルトで固定されてしまった。
え・・・。何これ。口、閉じれない・・・。
「あ・・・は・・・」
振り返り、榛に目だけで「これはなんだ?」と問いかける。
「あき、手錠とギャグボールはセットみたいなもんだよ?」
ぎゃぐぼーる・・・っていうのか。
じゃなくて!これ絶対セットじゃねーだろ!と思っても「あ、は、か、や」くらいしか声が出せなくて、文句の言い様もない。
「さっきのあきのおしっこ見たら、なんか俺もしたくなっちゃったんだよね」
だからなんだ。榛は今、自由なんだからトイレ行けるじゃん。
背中にヒヤッとした液体が垂らされて、腰を伝い、後ろの割れ目に沿って流れていく感触に、体が総毛立つ。
垂らされた液体がローションだとわかり、期待が高まってしまう。
「はっ・・・ぁ」
「痛かったら泣いてもいいよ」
榛の指が遠慮もなく後ろに差し込まれて、思わずぎゅっと力が入った。
「あき、俺の指折るつもり?」
違う、ごめん、と言いたいのに言えなくて、ブンブンと頭を横に振った。
「俺も結構限界だから、ちゃんと力抜いててよ」
頭を縦に振ると、榛の指が後ろを拡げるように内壁に沿ってゆっくり回る。
「あ、・・・やぁっ」
「まだ全然だけど、もう無理だわ、入れるね」
めりめりと音がするんじゃないかというくらい痛くて、でも榛を受け入れたがっている体は必死でそれに応えようと、力を抜いて熱を逃がそうとする。
ギャグボールを咥えて閉じることができない口から、ダラダラと唾液が零れた。
痛い・・・けど、なんとか泣くのは我慢できそうだ。
「きっつ・・・でもあき、上手になったね」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ねえ、もう我慢できない。俺もしていい?このままこの中で」
榛の手が、俺の下腹部をスリっと撫でた。
そこで、なにを・・・?
・・・まさか・・・
「おしっこ」
想像しただけで、恐怖で視界が歪んだ。
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