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第51話 拘束王子 1

アパートのリビングの壁に寄りかかる榛に寄りかかって除夜の鐘を聞き、テレビのカウントダウンと共に年が明けた。 「明けましておめでとー。今年もよろしくな、あき」 「おめでと」 「あきと繋がったまま年越せたし、今年はいい年になるな、絶対」 「あ、そう」 意外と単純・・・。可愛いとこあるな。 「あき、いつ仕掛けてきてくれんの?」 「え!?」 「このままずっと繋いどいてもいいけど・・・」 「それは!・・・困る」 なぜなら、さっきからジワジワと尿意が・・・。 早く外してもらわなきゃ、マジで介助されてしまう! でも、ハッキリ言ってどう切り出していいかわかんねーし。 「榛、俺・・・、情けないけど、どうやっていいかわかんねーんだけど・・・」 恥ずい・・・、けど。正直に言うしかない。 なぜなら、おしっこがしたいから! 「そっか。がんばってね。あきならできるよ」 「あ?・・・うん」 どうしよう。 ・・・とりあえず、キ、キス、から。 座ったまま体を反転させて、榛と向き合う。 手錠に繋がれていない方の手で、榛の首にしがみついて唇を合わせる。 「ど、どう?」 「どうって?」 「落ちた?」 「落ちるわけねーだろ。冗談キツイよ、あき」 キスじゃ、無理か・・・。 「フェ・・・ラとか、したらいい?」 榛を見上げると、驚いたように目を丸くして俺を見返している。 ・・・また、俺変なこと言ったのか・・・? 「あはは、はは、あき、マジで?」 腹を抱えて笑う榛。 なんでそんなに笑う・・・。男ならそこだろ、行き着くところ。 ・・・つーか、まじで、おしっこしたい。 もう限界かも。 「榛、ちょっと、マジで外してくんない?おしっこ漏れそうなんだけど」 「漏らしていいよ」 「漏らすわけねーだろ!つーかマジで外せ!」 「やだ。漏らせよ、ここで」 「はぁ!?あ!あ、あ、やめろ!」 榛が、下腹をぐっぐっと押してくる。 膀胱が刺激されて、もう本当に限界だ。 出る! 「榛!お願い、トイレで出したい。一緒に来て」 人んちのリビングで漏らすわけにいかない、絶対に! 泣きそうになるのを堪えて、榛に懇願する。 「はじめからそう言えよ。行くよ、ホラ」 一緒にトイレに入り、榛が後ろから手を回して俺のズボンと下着を下げる。 「や、待って。ちょ、自分で・・・」 「待たない。漏れそうなんだろ」 「ひゃ・・・!」 ギリギリまで我慢していた俺は、榛にそこを支えられただけで、先端からじょわっと溢れた尿を抑えることが出来なくて、榛に見られている恥ずかしさと、ようやく排尿できた爽快感で体が震えた。 「あ・・・、ぁ・・・」 「いっぱい出たね、あき」 「っ・・・言うな!」 間にあって良かったけど・・・。大事な何かを失った気がする・・・。先輩としての威厳、とか。 「戻ろっか」 「おい!手洗えよ」 「別にいいよ。俺、あきのおしっこくらいなら飲める自信あるし」 おしっこ・・・。飲める!? 「洗え!!」 「え~・・・」 しぶしぶといった感じで榛が手を洗う。 こいつ、どこまで本気なんだよ。わかんねぇ・・・。つーか、おしっこ飲めるとか狂気だわ。

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