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秘密の箱は秘密の鍵①
俺は見つけてしまった。
アイツのベッドの下にコッソリ、置いてある箱。
たまたま掃除しようとした時に、目に入ったその箱には、小さな鍵穴があって、開く事が出来ない。
元々は、幼馴染の俺たち。
いつのまにか気が付いたら恋人になってた。
同棲を初めて2年。隠し事なんてもう何もない、って思ってたのになんだよ、コレ。
鍵をかけて、隠すように置くなんて、きっとロクなものしか入ってないはずだ。
箱を揺らして中身の音を確認しようとしたけど、カサカサと紙が入ってるような音しかしない。
まさか元彼女とかの写真?!
いたたまれなくなって、自分の横髪を止めてたヘアピンを、鍵穴に突っ込む。
昔、俺は鍵屋でバイトをした経験がある。
ゆえに、こんな箱の鍵なんて…
カション!
そんな音を立てて、箱はいとも簡単に開いた。
箱の中にあったものは…
写真。元彼女ではなくて。
僕の写真。
手を繋いで立っている中学校の入学時の写真。
修学旅行での一コマ。
そしてこの前行った関西旅行での写真。
…どんだけ俺が好きなんだよ。
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