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秘密の箱は秘密の鍵②

僕の彼氏はアホだ。 たまに料理作ってやると(むちゃくちゃ簡単なやつ)泣いて喜ぶ。 雨の日に駅まで傘を持って迎えに行ったら、感激のあまり抱きついてきた。 靴下、左右違うの履いてみたり。 当然、勉強も…これは言い過ぎかな。 背が高くて、短髪。サッカーをしていた彼は、昔からモテモテだった。幼馴染の僕はそんな彼にやきもちを焼いてた。 アイツのアホさは、僕しか知らなくていいのに。 いつの間にか、幼馴染としてではなく、恋愛対象になってることに気づいて。 でも奇跡が起きて、僕らは恋人同士になった。 それでもアホさは変わらずだ。 ちょっとした悪戯をしてみる。 こっそり自分の部屋に、鍵をかけた箱を置いた。 掃除担当の彼は見つけて絶対、気にするはず。 そして、鍵を開けるはずだ。 いろんなこと想像しながらね。 案の定、鍵を開けてる彼の背中を、僕は後ろからコッソリみてた。 中に入っているものが、自分の写真だらけでビックリしてる。アイツのことは全部、お見通しなんだから。 「何、見てんのー」 後ろから抱きついたら、アイツはすっごい驚きながら僕を見た。 「ダメでしょ、人のものみたら」 「すま…んっ」 アホで可愛くてたまらない彼氏に、僕はキスをする。 「元カノの写真なんかいれてないから」 「…お前、何で俺の考えてること分かるの」 「分かるよ、好きな人のことはね」 キスを続けて、僕らはそのままベッドで抱き合う。 こんなに好きになるなんて、僕もアホだな。 【おわり】

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