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Blast 後日談③

この街にはヴィーノの養生も兼ねて二週間ほど留まった。ギルドの鍛錬場でトレーニングや模擬試合を行えたので身体が鈍ることもなかった。 ヴィーノは1週間ほどでカンを取り戻し、また、あれよあれよと上達していった。 Bランクに上がることも可能だろう。 しかし、まずは仕事をこなしてからだ。 居酒屋に借金も作ってしまったことだしな。 借金をしてしまったならいくらあっても同じだ、とツケで飲み食いしていた。本当に図々しいヤツだ。 「いきなり火焔熊の討伐は荷が重すぎやしないか?」 街を出て、港を目指す魚の卸売業者の幌馬車に揺られながら言った。 火焔熊は刃物も通さぬ硬質な毛と炎を纏った凶暴な生き物だ。更に火山帯に生息する為場所の危険性もある。 「アルゴに任せる。刃が通らねえんだったら打撃のが有効だろ。オレは支援に回る」 本当に変わったな。以前のヴィーノなら何がなんでも前に出ようとしていた。 「1発で仕留めてくれるなよ?オレの出番がなくなるからな」 買い被りすぎだ、と言いかけたところで目的地に着いたようで、大きく車体が揺れた。 外に出ると、冬曇りの空の下、灰色の海が広がり、その遥か遠くで火山島が煙を吐き出しているのが見えた。 灰色一色の景色だが、煮え立つマグマのように気持ちは高揚していた。 「行こうぜ相棒」 ヴィーノが俺の肩を叩く。ああ、と返事をして船の調達に向かう。 突風が吹き、俺達の背中を押した。 完

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