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第2話 芹人(セリト)※
「ほら、尻尾出てんぞ?」
ぐりぐりとその付け根を親指で押してやればびくっと震えてこいつは、彪はそれをしまおうとした。
でも本能は充分猛り立っていて、いくら抑えようとしても抑えきれないらしい。何時の間にやら耳はビンビンに立ってるし、目だって猫科特有の切れ長の瞳になっている。
その身体を繋げた状態のままでくすくす笑って、俺は後ろから彪に囁いた。
「ほんっと、お前獣じみてるなあ」
喘ぎ声も啼き声も行動も、何から何まで獣そのものだって嗤って、それで彪を更に凌辱していった。抵抗が無いのが愉しくて、それでいてどうしようもなく哀しかった。
……俺は彪が好きだった。だから眼鏡野郎、とかなんとか呼んでみてからかったし、俺を見てくれるようにだなんて。……でも解ってたんだ、この気持ちが受け入れられる訳が無いってことくらい。
だから、だからこの機会を悪用してしまったんだ。身体の関係だけでも、だなんて思ってしまったんだ。
「あ、ぁあ……っ!」
びくびくと震えて果てる彪には、俺が盛った媚薬の効果が未だ続いてる。少しやり過ぎたのかな、だなんて思うことは一瞬あったけど、……でも、その乱れた姿が綺麗で、綺麗で……如何しようも無かった。
首に一つキスマークを残して、俺はそこで果てた。
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