俺は今日も変わらず、彪にちょっかいを掛け続けた。あの日から何度も行為をして獣化させて、何度もイかせて解ったんだ。彪はこれまで仕事にはある程度手を抜いてた。多分無意識だろうけどな。 でも、あの日はやけに仕事量が……うん、多かった。今日も多いけど、多分彪は集中し過ぎたんだ。どから獣の本能的な集中力を使ってしまったんだ。 俺があの時見付けたから良かったけど、あのままなら仕事が終わるまであの状態だった。 「おいメガネヤロー」 「邪魔するなよ」 「ほらそこイチャラブするなー！」 上司サンのその言葉が俺の心に刺さる。そうだよ、本当は恋人みたいにイチャラブしたいんだ。 でも、でも俺達は男同士なんだぜ？　しかも彪は獣人で。……脅す側と、脅される側の関係だ。そこに愛は無い。彪にとっての俺は恐怖だ。 ……でももうふっきった。 俺はこのままの関係を続けるよ。昼間は彪にちょっかいを掛けて獣化を止めて、夜は形だけの愛を求める。……虚しくても良いよ、俺はもう。 彪を護れれば、俺はそれで良いんだ。