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第14話 オムライス

あれから3日 僕と夕月さんは友達…くらいにはなったと思う 〝佐久って呼びたいから夕月って呼んでほしいな〟 そんなことを言われたのが昨日 それまでは、新山さんって呼んでたから恥ずかしくて未だに治ってないんだけど、心の中ではもう呼べてる 夕月さんは仕事の後、僕の家に寄ってくれていつも話をして行ってくれる 話は、今日あったこと、面白かった部下の笑い話やされて嬉しかったこと、自分でお弁当を作っているらしくその中身など あ、あと…ぼ、僕をいかに好きか…っ、とか! それに昨日僕がコンビニでご飯を買って家に帰ってくるのでそれを見て〝俺、料理得意なんだ。佐久のご飯作っていいかい?〟と言ってくれた 〝今日は材料ないから明日買ってきて作ってあげるね〟そう言われたからなんとなくお昼を抜いてみた 僕の作るお弁当は冷食がいっぱいなのに見栄えが良くなくて、いつも残してしまう。家に帰ったらご飯がある…と思ったら余計に食べたくなくなった 「まだかな」 まだあれから3日しか経ってなく、夕月さんだってまだ2回しかここに来ていないのに、僕は夕月さんが来るだろう時間になるとリビングの席に着いて待ってしまう 「まだかな」 なんだか、この家で誰かを待つなんて小さな頃以来でワクワクしてしまう 夜になると不安になって、朝になるとゆうちゃんやきーちゃん、それに夕方来てくれる夕月さんに会えるのが待ち遠しくて、夕方になるとワクワクしてホカホカして… 夕月さんや、ゆうちゃん、きーちゃんと会ってから毎日が忙しくなった ピーンポーン… 「来たっ」 立ち上がり玄関を開けると、そこには夕月さん 両手には買ってきたであろう食材と、仕事で使っている鞄を持っていた なんとなく「貸してください」と鞄を指し渡してもらう いつものソファに置こうと歩き出すと夕月さんは感激したように口を押さえた 「なんだか、可愛い奥さんもらったみたい」 「………っ、そんなことないですっ」 夕月さんは事あるごとに〝可愛い〟〝好き〟〝大好き〟と言われたことのないようなことを言うから、僕は困る その度嬉しくなって、もっと言ってほしいと思ってしまう僕がいて、なんだか変だ 鞄をソファに置いて、夕月さんを見ると材料を出して対面式のキッチンに並べていた 「オムライスは好き?ごめんね、こんな時間だから簡単なものになっちゃうけど」 こくこくこく 大好物だから、高速で頷いて隣に並んだ 夕月さんは「可愛い」って言って僕の頭を撫でた

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