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あとがき

 あとがきを開いてくださりありがとうございます。  今作は「陵辱される夫と復讐に燃える妻」がテーマになりながらもなかなか進められずに没になってしまった「地上の金魚は太陽に近付く」(以下、:地上金(ちじょきん))から作り直しになった話です。妻が主人公の三人称視点で陰惨な話だったので、自分が書き進めやすい一人称視点で陰惨にならないように周りに明るいキャラクターたちを配置しました。  地上金(ちじょきん)ではその妻の名前が水瀬(旧姓月島)火乃香だったのでその名残として妻と月島兄弟には火の字が当てられています。こちらの創作のプロットでは最期が火による無理心中だったこともありその裏返しとして名付け親たちに「火の神に守られている」という信仰心がある設定です。  そして地上金では復讐をすることもなくただ物的証拠を遺し、書状を加害者家族と自分の姉に向けて終わるという救いのなさそうなプロットでしたので、深秋と月島兄弟の参加によって展開を変え、解釈次第ではせめてわずかにも山南夫妻に救いがある展開にしました。しかし深秋の中のテーマが「死による許し、生による贖罪」なので果たして深秋にとってハッピーエンドだったのかは読み手の死生観や価値観や気分次第… ☆備考 ・赤いメダルみたいなスタンプ(7話vlam)→シーリングスタンプ ・なんとか棒/オオハマボウ/五家宝etc(8話)…→突っ張り棒 ・赤い虎か牛か犬みたいな昔っぽい置物(8話)→赤べこ ・なんか白いやつ(8話)→結束バンド

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