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第二章・9
「今から家庭教師と勉強だ。駿は、別室で待機するように」
「はい」
その別室とやらに座っていると、次々に大人たちが入って来た。
「はい、立って。腕を上げて」
「靴を脱いで。靴下も」
「視力測定をします。コンタクトは付けていますか?」
大人たちは、おろおろする駿の背丈や肩幅を測ったり、足の大きさを測ったり。
終いにはお医者様まで現れて、健康診断が始まった。
それがようやく済んだ頃に、伊織が呼ぶベルが鳴った。
「駿、お茶にしよう」
「お茶、ですか」
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