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第四章・8

「とんでもない!」  伊織さま以外に、恋人なんか! 「ごめんごめん。いや、従者の少年の中には、結構割り切って伊織さまとお付き合いしている者もいるからね」  そんな。  駿は、信じられなかった。  伊織さまに仕えていながら、その一方で別の誰かと付き合うなんて。 「伊織さまは、それをご存じなんでしょうか」 「ああ。伊織さまも、その辺はドライでね。好きにさせておられるようだよ」  駿はいたたまれなくなって、挨拶もそこそこに医務室を後にした。

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