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第五章・24

「伊織さま、もう。もういいですから。だから、早く……ッ!」  息を荒げ、見悶え、駿は伊織を欲した。  夢にまで見た、伊織さまとの交わり。  早く、その瞬間を味わいたかった。 「いけない子だな、駿は」  からかうように、伊織の指が駿の体内を探る。 「あぁ、そこ、は。そこは、ダメですぅッ!」  前立腺を指腹で摺られるたびに、体液が溢れる。  糸を引き、それはシーツに染みを作る。 「ッあ! あぁあんッ!」  高く声を上げ、駿は達してしまった。 「あ、あぁ。ごめんなさい……」  よりによって、伊織さまより先に。  駿は失態したと恥じたが、伊織はすこぶる機嫌が良かった。 「指だけでイッてくれるなんて。駿の身体は感度がいいな」  そして、静かに三本の指を駿の体内から引き抜いた。

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