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第153話
「んぅ……ぐぅっ」
(息……が)
「苦しい?」
尋ねてくる唯人の声に、暁は必死にうなずき返すが、彼は動きを止めるどころか、一層激しく指を動かす。
「んっ……あぁっ!」
「可愛いな。ホント、可愛い」
「あっ……やめ……でるっ…でちゃ……から」
「いいよ。好きなだけ出して」
言いながら、亀頭のピアスを摘んだ唯人がそれをゆっくりと上へ引き、張りつめた暁の小振りなペニスへ顔を近づけ、あろうことか……ねっとりと舌を這わせてきた。
「あっ、ああっ!」
たったそれだけの刺激で暁は、呆気なく精を吐き出すが……次の瞬間蒼白になり、更に体を震わせる。
「……ごめ……なさ……」
「いいよ」
恐る恐る見上げれば……頬に付着した精液を拭い、微笑む綺麗な顔があり、申し訳なさに泣きそうになると、後孔から指を引き抜いた唯人が覆い被さってきた。
「……くぅっ」
「ちゃんと息しないと……死ぬよ」
唇が触れそうな距離で、低く紡がれる物騒な言葉。
答えなければと口を開くが、奥歯はガタガタと音を立て、上手く空気を吸い込めない。
「抵抗しないのに、拒絶はするんだ」
両膝の裏を担ぎ上げられ、肩につくくらい折り曲げられても抵抗など出来なかった。
(拒絶なんて……してない)
むしろ、求められて嬉しいはずなのに、体が心と噛み合わない。
「んっ……うぅ……あぁっ」
後孔へピトリと触れた切っ先が体内へと入り込み、いよいよ足りなくなった酸素を取り込もうとして暁が喘ぐと、唯人がその端正な顔を至近距離へと寄せてきた。
「口、空けろ」
命じる声に従えば、角度を変えた唯人の唇に自分のそれを塞がれて……入り込んできた彼の舌先に、歯列をゆっくりとなぞられる。
「ふっ……んぅ」
(キス……して……る?)
徐々にアナルを貫く熱と、咥内を満遍なく蹂躙してくる彼の舌に……体は歓び打ち震えるが、頭はかなり混乱した。
これまで、必死に口で呼吸をしようとしていた暁だったけれど、口を塞がれた事によって、鼻呼吸へと切り替わった。だから、苦しみはだいぶ軽減されたが、本人にはその理由までを推測出来る余裕がない。
「ぐっ……んぅ」
久々に……長大なぺニスに侵されたアナルの縁がピリピリと痛むが、指先で強くシーツを握り、受け容れる為に暁は耐えた。
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