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 今もレンズの向こう、モニターの前で汰紀がこちらに視線を注いでいるのだろうかと思うと、ざわざわと身体中が総毛立ち、鈍い熱が体を回る。  ───おれガ女役ナノハ意外ダッタガ…  盛大な苦笑も、花模様に埋もれて汰紀に知られる事はない。  ───マァイイ…ソノ内 搦メテ行ケバ良イ  目が回るような極彩色の牢獄の中、侑紀が汰紀を拒めば拒む程執着は深まり、終わりない世界へとなっていく。  脛についた傷にも、苦笑を漏らす。  ───マッタク…アイツニ飽キラレ無イヨウニスルニモ骨ガ折レル  実際に折られるかもしれなかったが、侑紀にとってそれは些細な事だった。  手に入った途端、直ぐに飽きる汰紀の気を引き続ける為の段取りに考えを巡らせる。  どう搦めて、どう導くか…  着物の隙間から見た鳳凰と目が合う。  ───クッ クッ  どれが実像か分からないような虚像だらけの万華鏡の中、  搦めたのか  搦められたのか  二人で完結する世界は続いていく… END.

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