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第9話 - 3

ああ、そうですね。 なんでカイばっかしモテるのかってイラっとする時はあります。 まあ、男の僕から見ても割といい男だから、そりゃモテるのは当然でしょうけどね。 でも一番イラっとするのは、カイがハッキリしないから。だからムカついてるんだと思いますよ。 トモちゃんのこともユミちゃんのことも、一体どうするつもりなんですかね。 フラッフラしてますよね。 何ズルズルやってるんだよ! って。 まさか二股か?!  そんな男じゃないだろう?!  ……そんなこと考えてるとなんかこう、腹の底からムカついてくるんですよ。 そこまで話すと、圭太くんは珍しく眉間にしわを寄せ、口をへの字に結んだ。 聞いているうちよく分かんなくなったんだけど、圭太くんは結局、誰に恋をしているんだろう? 後輩のユミちゃん? もともとはトモちゃんが好きって相談だったよね?  それにしても、本人もなんだか分からなくなってきたなんて。 何がしたいのか全然わかんないや。恋愛相談って言えるのかどうかも怪しくなってきたぞ。大丈夫か、圭太くん。聞いてるボクまでモヤモヤしてくるーーー 蘆屋先生が口を開いた。 「そうなんですね。  全員のことを同時に考えて混乱しているみたいですね。  圭太くん自身はどう思っているのか、一人ずつ順番に整理してみてはいかがですか。  聞いた感じでは、話に登場した全員に対して大きな意味で好意を持っているんでしょう? そうですよね。  じゃあ一人ずつ、それぞれの相手の好きなところや知りたい事、一緒にしたい事、してあげたい事、話したい事、一緒に行きたい所など、挙げてみませんか。急がなくていいから、別々に。  ああもちろん今スグ答えなくて良いんですよ。  帰って、ひとり落ち着いた時にゆっくり考えてみてください。  今回はこれが処方箋ということで。  さてルイ君、そろそろ時間かな?」 「あ、はい! そうですね、ちょうど60分経ちましたね」 圭太くんが口を開いた。 「そうか。  60分なんて、あっという間だね。そうかそうか……   先生、今日はありがとうございました。整理してみます。  整理してみたら、また来てもいいですか?」 「もちろん。またいつでもお待ちしていますよ」

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