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第29話
「周りには、ずいぶん、言われるんです。結婚しろって。でも、僕の心には、貴方がいた。不実なことをしたくないので、一生独身でいよう、そう思っていたんです」
ヨーンは、ジュリアンの乳首を愛撫しながら言った。
「貴方の名声は、聞いていました。でも、昔のことを、貴方がどう思っているかわからない、たぶん、恨んでいるだろうと、許してはもらえないだろうと、そう思ってきました」
ヨーンは、下半身をゆっくり動かしながら、ジュリアンの乳首を弄った。
「さっきも、貴方の口から、許せないと聞いて、当然だと思いました。それは、いいんです。謝罪を受け入れてもらえなくても。これからも、遠くから、貴方の活躍を見て、祈っています」
「ん……待って」
ジュリアンは、ジュリアンの胸をまさぐる、ヨーンの手を握った。
「どうしました? 痛みますか?」
ヨーンが心配そうに尋ねた。
「許す許さないは、今すぐ答えられない。心の整理が必要だから。でも、君には、ヨーンには、去ってほしくない。せっかくまた会えたのに、私の前から、去ってほしくない」
ジュリアンは、必死で言った。ヨーンは、ジュリアンのシャツの中から手を抜いた。そしてその腕で、ジュリアンを抱いた。
「ありがとう」
ヨーンの声が言った。ジュリアンは身体の緊張がゆるむのを感じた。
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