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第12話 地獄の時間
「芹ー?どこー?」
イリヤは芹を探して、レッスンルーム内を歩き始めたが何処を探しても見つからない。
「おかしいな…。」
イリヤは首を傾げる。ふと、目についたのはリンクの片隅にある用具室。普段、あまり行かない場所で意外と盲点かもしれない。
イリヤは用具室に向かって歩いて行った。
用具室の扉の前に立つと、そっと扉に手を掛けた。
ガチャン。
錠が落されているのか、重い金属製の扉は開かない。何とも言えない、言いようのない不安が一滴、心に落ちる。しばらくガチャガチャと闇雲にドアノブを捻っても、無意味に終わる。
「芹!いる!?」
ガタゴト、と用具室内で小さな音は聞こえる。それがよく出るネズミなのか、芹なのかは判断が付きにくい。
「芹!!」
イリヤの叫びに、微かに、本当に小さな声で「イリヤ」と自分呼ぶ声が確かに聞こえた。
「待ってて、今、開けるから!」
鍵は確か、管理人が管理している筈だ。中からは人の手で鍵を掛けられる仕組みになっている。
「…っ。」
不安が大きく、広がっていく。
踵を返そうとした刹那、用具室の扉がわずかに開いた。
「!」
イリヤは、驚いてその隙間を凝視した。そして息を呑んで、扉に手を掛けた。
ギイ、と軋むような音を立て扉は開かれた。その中の光景はきっと一生、忘れないだろう。
「何を…、しているんだ。」
イリヤは息を呑む。そこにいたのは、芹とかつてのスケート仲間たちの姿だった。
「見ればわかるだろう?」
用具室の冷たい床の上、芹は全裸にされて男たちに組み敷かれていた。
「こいつがいるから、イリヤはバレエを辞めてダメになったんだ。」
「…っ…ぁ!」
折りたたむような体勢で男の性器を受け入れて芹は苦痛の表情を浮かべる。ぎし、と身体から軋んだ音が響くようだった。
「何故、俺を中に入れた。」
「こいつがイリヤの名を呼んだから、親切で呼んでやったんだがな。なあ、セリ?」
「ち、違…、」
「嘘を言うな。」
男が芹の頬を容赦なく引っ叩いた。弾みで顔がイリヤの方へ向く。芹の瞳には涙がたくさん溜まり、今にも零れそうだった。イリヤの姿を捕え、くしゃ、と歪むように勇利は目を閉じた。
「おい、ちゃんと見て貰えよ。」
ぐち、とより一層嫌な音を立て、深々と男は芹を突き刺すように穿つ。芹は引きつったように目を見開き、ひゅうひゅうと喉で息をした。
「イリヤ・ベルガモット。この画像、見えるか?」
ニヤニヤと笑いながら、男の一人がイリヤにむかってデジカメを見せた。
「やめ、て。約束、が…!」
セリは最早、涙を零し嗚咽を漏らしていた。
イリヤは画像を見て絶句した。
「これをばらまかれたくなかったら、大人しく見学してな。腐抜けたイリヤ。」
芹は腰を鷲掴みにされて激しく揺さ振られる。途中、鉄の香りが鼻に着き、芹の秘部から血液が流れたことを知る。嫌味なことに、血が潤滑油代わりとなり抽出を助けた。
「や、だ。嫌…、嫌。」
幾度も幾度も、体内に精液を注がれて芹の腹は苦しそうだった。ただ見ていることを命じられ、イリヤは為すすべもなくこの無意味な行為を見つめていた。その瞳からは冷たい涙が無意識に零れていた。芹はそれすらも苦痛に感じているようだった。やがて地獄のような時間が過ぎて、ようやく男たちが芹を解放した。
「芹!!」
イリヤが駆け寄って芹の頭を撫でつけている間に、男たちは服を着込み笑いながら用具室を出て行った。
重い沈黙が流れた。イリヤはただ、芹の髪の毛を梳いていた。何もできなかったことを悔やみ、芹の身体を労わるように。芹は呆然と天井を見つめている。涙が零れた痕が痛々しい。イリヤは、背中に手を回して芹を抱き上げた。シャワールームまでの道のりを、芹の秘部から零れ出る男達の精液が点々と汚した。
「湯加減はどう?熱くない?」
「…平気…だよ。」
イリヤはまず芹の身体を洗うことに集中した。タオルを宛がい、優しく肌を拭っていく。そんな折、下腹部に手が触れて芹は痛そうに顔を歪ませた。
「…ごめんね、芹。今からすることを許して。」
「何…?」
芹を抱き、その秘部にイリヤは指を差し入れた。そして中の精液を掻き出し始めた。
「…っ!―…、」
ぎゅう、と目を瞑り刺激に耐える芹を横目に、イリヤは黙々と指を動かし続けた。やがて全てを掻き出し終え、汚れた腿を最後に洗い流した。芹は肩で息をして、ぐったりとイリヤに身を預けていた。
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