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第2話
永見 優side
僕は普通だ。ただ、僕は人に好かれる才能があった。小学校、中学校と、いじめのあるクラスで過ごし…。標的にならないために色んな人に媚を売っていたら身についた。
高校ではそれなりに底辺を生き、大学に行った瞬間、才能は爆発的に開花した。レポートは得意だった。
「優、おはよ。よく眠れた?」
「うん」
「今日は目の下にクマもないし、ほんとみたい…。良かった」
「…そんなに心配しなくても死んだりしないから」
「そう?結構、情緒不安定そうだけど…」
彼は僕の恋人の篠延 八尋(しののべ やひろ)。大学の入学式の時たまたま席が隣になった。終わった後、話を聞けば同じ学部で同じ学科をとっていたから、自然と一緒にいることが多くなった。
それから暫くして、彼から告白されたので付き合うことになった。僕は人を好きになれない。好きになれるのかもしれないけど、『好き』が分からない…。
「八尋、アイス食べたいなぁ〜。帰り寄ってこ?」
「うん。いいよ」
「ありがと」
八尋に甘やかされている。愛されたいと思っている僕にはとても嬉しい事なのだが、その反面良い様に使っているようで罪悪感を感じる…。
それでも、たくさんの人に愛されたいという欲望に勝てない…。罪悪感から目を背けた…。ここは減点。
「優、今日泊まりに来る?」
「行ってもいいの?」
「ダメなら聞かないよ。どうする?」
「…行く」
八尋の家に泊まる時は大体、ヤる時だ。一人暮らしだから、なんの心配も無く出来るのは嬉しいが、正直そこまで気持ちいいとは思えなかった…。
八尋に聞かれてぽろっと本音を溢してしまったことがあって、その時は悲しそうな顔をしていたけど…。悲しい顔をさせてしまったから減点…。
「先にお風呂はいる?」
「うん」
「着替えとバスタオル持ってくね。先に入ってて」
「あ、りがと…」
少しでも僕のことを気持ちよくしてくれようとするところは好きだ。だから喘ぎ声の練習をした。ここは加点。上目遣いに頬を少し染めれば簡単に落ちてくれる…加点
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