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第2話 石油王な御主人様×男の娘
目が覚めると、ふかふかの白いベッドの上だった。目だけで部屋を見回すと、ここはよく見慣れた自室だと分かる。僕は裸のままの重い身体をどうにか動かし、横を向くと、褐色の肌に白い服を纏った、髭の濃い若い男の人が椅子に座っていることに気付いた。目が合うと不機嫌そうにアラビア語で話し掛けられる。
『やっと目を覚したか』
『御主人……様?』
この家の主であり、自称石油王を名乗るこの人は僕の御主人様だ。
僕は1年前、密かな趣味として、女装してサウジアラビアに観光に来た。ところが大荷物の女性に声を掛けられて持たされた荷物に麻薬が入っており、警察官に連行されかけた。一部始終を見ていた御主人様が警察官を買収し、僕はこの人に飼われるようになったのだ。
――ねえ貴女、ちょっとお願いがあるの。時間あるかしら?
――はい、何ですか?
――トイレに行きたいのだけれど、この荷物全部は持ち込めなくて。少しの間これとこれを持っていてくださらない?
――えっ、いいですけど……良いんですか、僕が持っていて?
――ええ、勿論貴重品とか盗られたら困るものはちゃんと自分で持っていくわ。それは着替えとお菓子が入ってるの。だから男性には頼みづらくて。
女装してはいるけども僕も男なんだけどなあと思い、荷物を引き受けて彼女が戻って来るのを待っていたのだ。完全に騙されたし、その時は助けてくれた御主人様に物凄い感謝をした。けれど、僕を日本に帰れなくして、慰みものにされるなどと思いもよらなかった。まさかあの女性も声を掛けてきた空港の人もグルだったのでは、と今も考えている。
『まずは風呂だ。ちゃんと身体を清めてきなさい。それから事の説明を』
『畏まりました……』
鉛の様な身体をなんとかして持ち上げようとしたが、一向に起きられそうにない。それでもこの人の命令に逆らってはいけないと、必死に腕に力を込めて起き上がる。その拍子にお尻から液体が溢れそうな気配がした。
「うッ」
『どうした?』
『い……いえ、何でもないです』
身体の怠さよりも尻の不快感をどうにかしたくて、僕は這いつくばるようにしてバスルームに向かう。途中でふわりと身体が浮き、御主人様の腕の中に収まった。
『遅い』
『申し訳ありません』
そのまま湯を張った泡だらけの浴槽の中に放り込まれ、シャワーのお湯を頭から被せられた。そして無言で僕が愛用しているシャンプーとコンディショナーを渡される。
『立って、向こう側の縁に手を付いてこちらに尻を向けなさい』
命じられた通りにすると、御主人様の指が躊躇いもなく孔に入ってきた。
『ひゃ、あ、あの、御主人様、それはッ』
『何か文句でもあるのか?』
『いいえ、文句では、ッ。ですが今はまだ、あんッ』
指の腹で前立腺を刺激され、思わず嬌声が漏れた。
『今はまだ? ここに何処のどいつとも知れない日本人のが入ってるんだろ?』
御主人様の指が2本に増やされ、お尻の孔を広げられる。恥ずかしさと思い出したくもない屈辱で目頭が熱くなった。孔からドロリと精液が溢れてくる。
『全部掻き出してやるから大人しくしていなさい。いいね?』
『はい、ッ、ああん』
ゴツゴツとして長い指に中を掻き回され、自身のモノが次第に重力に逆らっていく。イキたい、御主人様のでイカされたい、もっと触れられたい……
しかしその願いは叶わず、達する事も出来ないまま指が引き抜かれた。隅々までシャワーで洗い流され、バスタオルを渡される。バスタオルで身体を拭いて髪を乾かしてから、とある部屋に連れていかれた。この建物に連れてこられたばかりの頃に閉じ込められていた部屋だ。キングサイズのベッドが部屋の中心に置かれ、棚や壁には様々な液体が入った容器、"大人の玩具"と呼ばれる多様な道具、あちこちに吊り下げられた拘束具が存在している。最近では僕の寝室や御主人様のベッドで抱かれるようになったが、僕がまだ御主人様を受け入れられない時期に使われた、所謂調教部屋だ。
御主人様はベッドに腰を掛け、下半身を寛げた。もうどうするべきかなんて命令されなくても分かる。僕は御主人様の前に跪き、御主人様のモノに念入りに舌を這わせてから口に含んだ。
「んむ、んん、んぐ……む」
以前教わった通り、口一杯に頬張りながら上目遣いで御主人様を見ると、冷ややかな視線が返ってくる。
『私以外にもこんな事をしたんだな?』
「んんぐ、ヴッ」
否定する間も無くガッと頭を押さえつけられ、その直後に喉の奥にまで甘美な味が広がった。それを舌ですり潰すように味わってから飲み干し、最後に御主人様の先端をジュッと吸って口を離す。御主人様は顔色を変えず、ベッドの上で四つん這いになるよう命じた。
『此処では何人の男共のを咥えこんだ? どんなふうに誘ったんだ?』
『1人……です。誘ってなどいません』
『お前が誘ったんだろう? 言ってみろ。どうして、それも見知らぬ男に身体を開いた?』
御主人様は僕の身体に香油を垂らし、それを手で伸ばしていく。背中もお腹も、手も足も、首も胸も、そしてお尻にも僕の雄にも隈なく塗り込められる。
『ごめんなさい、ッあ、女装してるのがバレて、脅されました、ごめんなさい、ごめんなさい』
『ふん、自らの意思で受け入れた事に変わりはないだろう』
『違います、望んでません』
『もう良い。これ以上の言い訳は聞かん』
「あッ……」
お尻の割れ目に再び香油を垂らされ、それから御主人様のを孔にねじ込まれた。香油のせいか、それとも散々犯されて慣れてしまったのか、今まで無理矢理されていた時のような痛みは無い。代わりにお腹の奥が疼く。このまま酷く奥を突かれたくてたまらない。なのに御主人様が腰を打ちつけてくる事はなく、勃っている僕のモノを握って乱暴に扱き始めた。
「んッ、ああッ、は……あ、ん」
『あの時も此処を固くしていたのか?』
『んあ、ごめんなさいッ、しました、ッああ、イく、イッちゃいますッ』
『駄目だ』
その瞬間瞬間、ギュッと根元を握られて射精を拒否された。そして前はキツく握られたまま後はナカを抉るように動かされる。あの男では届かなかったところまにで御主人様のが入っているのが分かる。
『あ、やだ……これ嫌、イキたいっ、イキたいっ、く……ああッ』
ぐりぐりと奥の1番良いところを押し潰され、今にも達しそうなのにイカせてもらえない。イケない代わりに奥がきゅうきゅうと御主人様のを締め付けているのが分かる。
『御主人様、お願いしますッ……お願いします』
『ミワ、お前は此処を突かれるのが好きだよな。まだ私に抱かれるのを嫌がっていた時も、奥をぐりぐりと押してやれば直ぐに大人しくなった。あれにも此処を良くしてもらえたのか?』
そう問われ、ブンブンと首を横に振った。御主人様でなくてはこんなところまで気持ち良くしてくれない。
『教えてみろ。安くてみずぼらしい狭い部屋で何でどんな事をされた? 答えるまで絶頂はお預けだ』
『う……やだ、お預けやだ』
次第に責めは激しくなっていくのに、欲は全く満たされない。解放されたい、されたくない。楽になりたい、もっと欲しい。早く吐き出したい。御主人様の言う事聞けば、イカせてもらえる?
『ほら、辛いだろう? 奴には何処を触られたのか言ってみろ』
『んッ、あ、ふぇら、されて、乳首も、は、あッ弄られました、ッあ、むり、イくっ』
『まだ駄目だ。それだけじゃないだろ』
『ごめ、なさ……あんッ、粗末なチ○ポで乱暴に突かれてっ、あ、汚いせーえきナカにいっぱい出されちゃいました、ッ……や、そこ、もっと』
自分のナカが更に御主人様のを締めつけていく。腕はガクガクと震え、今にも限界を迎えて身体が崩れ落ちそうだ。御主人様に抱かれているのに、頭は見知らぬ男に陵辱されたときの事でいっぱいだった。またあんなふうにされたい。男としてのプライドなんて、この1年間の御主人様の躾でとっくに失くしていた。
『また締まりが良くなったな。そんなに奴が好きか?』
『違う、違うのぉ、気持ち良かったのッ、オナホみたいに乱暴にされるの、気持ち悪いチ○ポで犯されるの、良かったの、あ、ふ……んあ、あ』
『私が大事に育てたものが、たった一週間里帰りさせただけでこんな淫乱になるとはな』
『ごめ、なさい……ごめんなしゃい、ゆるして、も、ゆるしてっください、ッ……あんッ、出したいの……せーし出したいのっ』
ゆるして、ごめんなさい、ごめんなさい。身体が熱くて、もう何も考えられなくなってひたすらに謝罪の言葉を口にした。目から次々と涙が溢れてくる。僕のモノを握る御主人様の手の力が更に強くなった。
『痛いっ、やだ、潰れる……ごしゅじんさま、ゆるひて、ごめんなさいッ』
『何がごめんなさいだ? お前は何に反省している?』
『ごしゅじんさま以外にっ、抱かれた事です。もうしません、しませんからっ、もっとシてくださいッ』
もう息も苦しい。でもまだ終わってほしくない。御主人様の大きいのにお尻犯されるの気持ちイイ。
『お前は奴の方が好きか?』
『違います、ッ……御主人様が好きです、御主人様のチ○ポが良いです』
御主人様は片手で僕の腰を掴み直し、より一層激しく奥まで打ち付けてくる。そしてドクドクと最奥に熱いものが注がれた。
『うあ、ずるいッ……ごしゅじんさまだけずるい、ッあああん』
『他に言う事があるだろ』
『……悪いコの僕をお仕置きしてくださってありがとうございます』
『良し』
この言葉と同時に御主人様のが引き抜かれ、僕のモノを握りしめていた手が離された。
「あッ、んあああああああッ」
その瞬間、一気に快楽の波が押し寄せてきて僕はシーツに向かって精を放ちながら達し、そのまま崩れ落ちた。
『私の愛しいミワ、もう二度とこの部屋から出さない。お前は私の物だ』
身体を仰向けに返され、優しく口付けられる。キスは次第に深く激しくなっていく。
『ミワ……ミワ……』
『んッ、御主人、さま』
『まだできるな?』
『ご所望とあらば』
その後は気絶すらも許されないまま、僕は一週間分の御主人様の精子をナカに吐き出され続けた。
後日。ご命令通り、件の日と同じ女子高生の制服と特注のメンズ用セクシーランジェリーを身に着けさせられた。御主人様に指定された物を身に着け、身を清めて夜まで待機するのが決まりだ。夜になって、仕事が終わった御主人様は部屋に来るなり、画面の大きなパソコンを僕に差し出した。
『ミワ、面白い物を見つけた。お前も見ると良い』
タイトルには日本語で「ゲイ向け 無修正男の娘ガチ陵辱」と書かれていた。一気に顔から血の気が引き、背筋が凍る。そんな僕に構わず、御主人様は画面をクリックして動画を再生させた。
〈嫌だ、助けて、あッ、たすけて、も、やだ〉
動画には予想通り、名前も何も知らない中年の男に犯されてグズグズに泣いている僕が映っている。
『御主人様、これは――』
御主人様は後から僕を抱き締めた。これでは逃げようにも逃げられないし手で耳も塞げない。せめて目を閉じようとしたが、それも許されなかった。
『目を閉じるなよ。最後までしっかり自分の痴態を見ていなさい』
『は……い』
〈『ごめんなさい、御主人様。ごめんなさい、御主人様』〉
画面の中の僕は最後にアラビア語でそれを繰り返し、抵抗するのを諦めて男を受け入れ始めたところで動画は終わった。
「こんなイヤラシイ格好をして、君が男を誘っていたんでしょう。イヤイヤ言いながら本当は欲しかったんでしょ、ミワ君?」
御主人様は僕を抱き締めたまま、流暢な日本語でそう言った。スカートの中に御主人様の手が滑り込んでくる。
「や……誘ってなんかいません」
「そんな事を言って、ミワ君の此処、勃ってるよ」
「ッ……」
下着に手を入れられ、そのまま僕の固くなったモノを弄られる。
「んッ、あ……だめ、やだ」
「"もっとシてください"だろ?」
「ふっ……あ、まって、やだ」
ズルリと下着を下ろされた。御主人様はニヤニヤといやらしい目付きで僕を見る。ドクン、ドクンと胸が高鳴った。もしかして、動画と同じように犯してくれるかもしれない。僕は自ら両手でスカートを捲り上げ、軽く脚を開いて完全に勃ち上がった自身を見せつけながら言った。
『淫乱な僕……を酷く犯して、ください……御主人様』
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