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身体検査①
「待たせたね」
オーナーと呼ばれた男が出てきた。
空は、学校帰りに複数の男に羽交い締めにされ、この館につれてこられた。
手は後ろで手錠をかけられ、両脇の男が肩を押さえつけており、身動きは取れない。
周りにも仮面を付けた男達がいた。
この異様な光景に震えが止まらない。
「こ、ここはどこですか?僕を…どうする気ですか?」
空は震える声で、オーナーと呼ばれた男に聞いた。
「可愛い声だね」
オーナーは、空の質問には答えず、隣にいる助手のような男に言った。
「顔も可愛い。この可愛さはアイドル並みだ。AAAランクも有り得るというのは、あながち嘘ではないようだな、島田」
「恐縮です、オーナー」
島田と呼ばれた男は答えた。
「空くんと言ったね。」
名前を呼ばれ空はビクッとした。オーナーは続けた。
「ここは、選ばれた少年たちがお客様を接待する倶楽部だよ。空くんは今日からこのクラブの商品になるんだ」
「な、何を…、意味がわかりません!家に帰してください…っ」
「残念だが、それは出来ないよ。キミは選ばれてしまったのだからね。特にキミは100年に一度と言われるAAAランクの可能性がある。つまり、我が倶楽部の稼ぎ頭として我々はキミに期待しているんだよ」
「そっ、そんなの…!僕の意志はどうなるんですか…!?無理矢理働かせるだなんて、犯罪行為です」
「ふふ、可愛い顔をして勇敢だな。こういうタイプの子は客にも評判がいい。ちなみに、警察に駆け込んだところで意味はないよ。この倶楽部は、裏の世界で黙認された存在なのだからね。さて、ではさっそく診断に入るとしよう。まずは身体検査だ。彼の服を全て脱がせなさい」
両脇の男が空の服を乱暴に脱がせていった。服を引き抜くために一度手錠を外されたがすぐにつけられてしまった。
「やっ、なんで脱がすの!?っやぁ、やめて…!」
空はジタバタと暴れるが、まるで子供の抵抗でしかなく、あっという間に全ての服が剥ぎとられ、全裸にされてしまう。
未成熟な白い裸体が現れる。
オーナーは、目を細め、空の身体を上から下まで品定めするように眺めた。
「いやっ、見ないで…、服、返して…っ」
空は顔を赤くして訴える。
「これは、想像以上だ」
オーナーが空に近付く。
「島田、私が自ら身体検査を行う」
「え、オーナー自らですか!?」
「そうだ。この子は、逸材だ」
「やっ…、来ないで」
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